CWOの前川が綴るコラム-現場からの「協働革新」 2020年2月17日

我が社のAPIエコノミー事例

我が社のAPIエコノミー事例

世の中では様々な新しいクラウドサービスがどんどん出現してきており、ほとんどの会社は何らかのクラウドサービスを利用しているのではないかと思う。

我が社でも、技術系の部門は勿論のこと、営業、人事、経理、マーケティング部門などで、様々なクラウドサービスの利用が加速しており、ひと昔前は、各部門の事情に合わせた自前のシステムを作って欲しいという要望が多かったのに対し、最近は、それぞれの部門が利用している各種クラウドサービスをAPIベースで連携して欲しいという声が多くなってきた。

勿論のことながら、ドリーム・アーツ社内の業務プロセスや文書管理などは、すべて自社製品であるSmartDBで実現しているので、SmartDBを中心として他社クラウドサービスとのAPI連携するパターンが随分と増えてきた。今回はその一部をご紹介しようと思う。

1.名刺管理 → 顧客マスタ → 営業レポート → 営業活動管理

基本的に我々の会社は大企業向けのビジネスを行っており、営業担当者のみで商談がまとまることはほとんどなく、営業を支援する技術部門のみならず、製品開発を行う部門も一丸となってプロジェクトを進める必要がある。そのため、営業現場の一次情報である営業レポートは全社員で共有し、各役割を担う全員がレポートを起点にしたコミュニケーションをとるようにしている。そして、この営業レポートがコミュニケーションの起点となるためにも、レポートを登録する担当者が現場で実際に感じた「所感」というものを特に大切にしている。

営業部門で交換した名刺は、名刺管理クラウドサービスであるSansanに取り込まれ、その名刺情報はSansanのAPIを経由してSmartDB上の企業マスタおよび担当者マスタに自動で取り込まれるが、この際、経済産業省の法人インフォAPIを利用して、企業の法人番号も付与している。

営業担当は、取り込まれた企業マスタおよび担当者マスタに紐づいた営業レポートを登録する。 登録した営業レポートはMicrosoft Teamsの営業レポートチャンネルに投稿され、Microsoft Teams内でのコミュニケーションの起点となる。また、営業部門では、営業活動管理にSalesforceを利用しているため、登録された営業レポートはSalesforceの活動としても登録される。

Salesforceを利用しているのなら、営業活動の記録をすべてSalesforce上で収束できるのではないかという疑問もあるかも知れないが、単に自社製品であるSmartDBを使い倒すという理由の他に、以下のような我々の事情もあるのである。

(1)前述の通り、我々にとっての営業活動は営業担当のみで行うものではないのだが、営業活動の情報を共有するために、全社員分のSalesforceアカウントを購入するのは現実的に難しい。

(2)企業マスタや担当者マスタは社内の様々なシステムから参照されているので、マスターデータのメンテナンスポイントは、最も融通の利くSmartDBにしておきたい。実際、それぞれに事情を抱える各種システムに連携されるマスターデータを綺麗に保つことは、なかなか容易なことではないのである。
顧客マスタに登録されたお客さんの所属部署や役職などが、自動的に常に最新の状態に保たれるので、Sansanとの連携は営業の担当者に大変好評のようである。

2.社内承認プロセス → 契約書締結および請求書発行 → 契約書管理

ドリーム・アーツ社内のすべての稟議や承認のプロセスは、SmartDBで完全にデジタル化されているのだが、社外との書類のやり取りには、まだ紙ベースの処理が残っている。今後、BCP対策の意味も含めてリモートワークを実現するには、紙の処理を排除することは必須条件であるので、社外との書類のやり取りは、電子契約サービスのクラウドサインを利用してデジタル化することにした。

SmartDBで社内ワークフローの決裁が終了した時点で、契約書や請求書のPDFファイルが自動でクラウドサインに登録され、先方の担当者にはクラウドサインから確認依頼のメールが送信される。

先方の担当者がクラウドサイン上で契約書や請求書を確認・承認した時点で、クラウドサインからデジタル証明書が付与された改竄不能なPDFファイルおよび合意締結証明書が、SmartDB上にある締結済みの契約書を一元管理するデータベースに自動で登録される。

締結済みの契約書を一元管理するデータベースは、監査法人の担当者にもアクセス権限が与えられているので、監査法人の担当者は、いつでもすべての契約に関するチェックを行えるという具合である。

現時点では、紙の処理を求められるお客さんも一定の割合で残っていることは事実であるが、今年中には紙の処理を完全に撲滅する予定で、我々が受け取る書類についても、すべて電子化して貰うように各社にお願いをしているところである。

3.マーケティングオートメーション → 問合せ管理 → トライアル環境構築

マーケティング部門では、プロスペクトの管理やナーチャリングに、マーケティングオートメーションのMarketoを利用している。なんと嬉しいことに、実は最近、我々の製品に対する問い合わせが急増しているのだ。

Marketoのフォームから登録されるこれらのお問い合わせは、お客さんの属性やナーチャリングのステータスなどに従って、マーケティング部門、営業部門、営業支援部門など複数の部署に振り分けられ、すぐに適切なアクションが実施されるようにSmartDBで管理されている。

また、弊社サービスのトライアル申込についてもMarketoのフォームで受け付け、個別のトライアル環境の構築やその他必要な処理が全自動で実施される仕組みになっている。

4.社内承認プロセス → 小口現金決済(現在作成中)

僕も知らなかったのだが、人事担当者にとって採用活動で発生する経費精算(面接の交通費や内定者研修の諸経費など)は、入社前の相手に銀行振込もできず、毎回小口現金で対応するのが大変煩わしいことらしい。

今時の学生はキャッシュレスでしょ。ということで、LINE Payで経費を支払うことにした。SmartDBで社内の経費精算フローが承認された時点で、自動的にそれぞれのLINE Payに申請したお金が振り込まれるという具合である。

他にもOffice 365とのAPI連携などは色々あるのだが、それらはまた今度。

それぞれのクラウドサービスでAPIのお作法が異なるので少々面倒な面もあり、実際の業務で運用できるレベルで汎用化するにはもう少し時間が必要ですが、現在、各種クラウドサービスとの連携をSmartDBの標準機能として汎用的にまとめられるように、鋭意努力しております。

プロフィール
前川 賢治
株式会社ドリーム・アーツ 取締役 執行役員 兼 CWO(チーフ・ワォ・オフィサー) 前川 賢治(Kenji Maekawa)
  • 大型汎用コンピュータ向けソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
  • 本コラムでは、バブル後の大不景気を経て企業体質も健全化に向かっている現在、より現場力を高めるために「人」の「協業」をいかに支援し、革新していくべきかを考えます。

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