CWOの前川が綴るコラム-現場からの「協働革新」 2020年11月11日

社内の備品購入申請をAmazonビジネスと繋げてみた

業務フローの電子化をめぐる物語

コロナの影響で圧倒的に家にいる時間が増えたために、以前と比べて最近はやたらとAmazonを利用することが増えた。まず、緊急事態宣言が出た時点で休日に家でビデオでも見ようかとAmazon Fire TVを買ったのに始まり、そのFireTVでDIYのYouTubeチャンネルにハマってしまった。どうせ休日も家にいることだし、自分でもDIYをやってみたくなって、まずは道具から揃えるべしと、ほとんど毎日のようにAmazonでなにかの工具を購入する日々が続いた。

そうやってあらゆる種類の電動工具を買ったにも関わらずである。YouTubeで見たような作品が出来上がることはなく、当初の計画とは程遠い、なんとも残念な木材の残骸と、あまりの騒音と木屑が発生するためマンションのベランダでは使える訳もない電動工具達、そして半端ない徒労感だけを残す結果となってしまったのである。

このかなり悔しい失敗の原因を分析した結果、騒音対策や集塵対策の他に、状況に合わせて木材を固定する各種の治具も必要だということがわかったので、僕のAmazonでの買い物はさらに拍車がかかった。

どう考えても、普通に買った方が断然安くて良いものが手に入るであろう。なにしろ僕のマンションの裏にはニトリがあるのである。しかしそれでは気が済まない。マンションから苦情がこないように配慮しながら、僕のDIY熱は現在も継続中である。

ところで、僕も知らなかったのだが、うちの会社では備品などの購入にAmazonビジネスというサービスを使用しており、備品を購入する担当者は、まずAmazonで購入する商品の値段を調べて社内の購入申請を通した上で、AmazonビジネスのアカウントでAmazonにログインし、実際の商品を購入するという手続きを踏んでいるようだ。

しかし、Amazonビジネスには PunchOutというAPIが用意されているではないか。それならAmazonと社内の備品購入申請とAPIで連携すれば無駄なコピペ作業がなくせるのではないかということで、早速、「SmartDB」のワークフローとAmazonビジネスをAPI連携してみた。

仕組みは以下の図の通りで、Amazonで普通に商品を選択し、カートの「承認を依頼する」ボタンをクリックすると、購入した商品の情報が自動的に「SmartDB」の備品購入申請に代入され、そのまま申請業務を開始できる。また、その申請が承認された時点でAmazonへの発注が確定し、商品が拠点に届くという仕掛けである。配送料は注文時に拠点の住所を元に自動計算される。

ただし、ほとんどの場合、全社員が備品の購入を行う訳ではなく、備品調達は拠点毎の総務担当者に集約されているので、「SmartDB」で拠点情報および備品購入担当者のマスタバインダを作成して備品購入申請フローに連携することで、購入時に必要な情報を毎回入力しなくて済むように工夫した。

それこそ日曜大工的に週末1日で実装した単純なAPI連携ではあるが、意外にも購入担当者には好評で、「超便利〜」などと思った以上に喜んでもらえた。こんなことで喜んでもらえるならお安い御用である。素人のDIYとは違い、こっちの方ならまだ少しは役に立つ物を作れるようである。

今回のコラムと関連する、「SmartDB」と法人・個人事業主向けのEコマース事業「Amazonビジネス」とAPI連携(パンチアウト連携)についてのプレスリリースを発表しています。ぜひご覧ください。

プロフィール
前川 賢治
株式会社ドリーム・アーツ 取締役 執行役員 兼 CWO(チーフ・ワォ・オフィサー) 前川 賢治(Kenji Maekawa)
  • 大型汎用コンピュータ向けソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
  • 本コラムでは、バブル後の大不景気を経て企業体質も健全化に向かっている現在、より現場力を高めるために「人」の「協業」をいかに支援し、革新していくべきかを考えます。