CWOの前川が綴るコラム-現場からの「協働革新」 2020年4月3日

ハンコレス世代のテレ入社式

ハンコレス世代のテレ入社式

こんにちは。CWOの前川です。さて、今の状況では、どうやら入学式も中止の可能性が強い。
人生において比較的大きな晴れのイベントである小学校の入学式に娘を参加させてやりたかったなぁとは思う。しかし、そもそも授業だっていつから始まるのかも分からないのだ。今は一人一人が少しでもコロナウィルスの感染経路を狭めるための行動をとる他はない。

そんな、世の中が混乱しまくっている中、16名の新入社員が我々の会社に加わってくれたのだが、今年は入社早々、すべてが異例ずくめである。まず、入社式からして出席者全員が集まることができないので、我が社ではZoomを利用した初のリモート入社式の開催となった。

Zoomを利用した初のリモート入社式

ただ、入社式はリモートで開催したものの会社には来られないのである。元々予定されていた集合研修はすべて中止になっているし、新入社員たちが「一体、俺たち明日からどうすればいいんだ? 」と思うのも無理もない。

我が社では、人事の担当者もいろいろ工夫して、Schooを利用したオンライン学習とか、当面の新人教育プランは組んでいるようであるが、外出自粛がいつまで続くか分からない現状では、どの会社でも新入社員の対応には苦慮しているのではないだろうか?

もう一つ、我が社では今年から変わったことがある。
今年の新入社員からハンコが支給されなくなったのだ。

確かに、今となってはすべての業務がデジタル化されており、会社でハンコを押すという場面はまずない。逆にハンコを押さなければならない紙業務が残っているとしたら、そっちの方が問題であり、むしろ即刻改善すべきである。

そんな訳で、昨年までは前例踏襲で支給されていたハンコが、今年からは支給されなくなったのである。

思えば30年以上も昔、僕も80%の不安と20%の希望を胸に会社に初出社した社会人1日目に、会社から渡された様々な書類に加えて、自分の名前が刻まれた名刺やハンコを支給されたことを覚えている。それだけで、会社が自分を迎え入れてくれているような気がして嬉しかったし、自分が押したハンコに責任を持つ社会人になったんだなと実感したものである。

あれから時は流れ、ハンコレス世代となった新入社員達のやる気満々な抱負の弁を聞きながら、今ではすっかり使われなくなった僕のハンコ達に少しノスタルジーを感じたのであった。

就職が決まった時に親が買ってくれた印鑑で、区役所に印鑑証明を登録してある実印。かなり年季が入っている代物。

入社した際に支給されたシャチハタ。昔は交通費精算などが紙の申請だったので使用する機会も多かったが、今となっては全く日の目を見ることはない。

今はほとんどお目にかからなくなった日付入りのハンコ。日付は恐らく最後に使ったのであろう1994年11月22日で止まっている。

これは社員番号入りのゴム印。入社時に支給されたものだが、これまで一度も使った記憶がない。

これは現役で使っている。取締役会の議事録など今でも押印の必要がある書類はあるのだ。印鑑入れは25年ぐらい前にORACLEでもらったレアものだが木製でなかなか上等な作りである。

いずれにしても、今回の新型コロナ騒動を一つのきっかけとして、今後世の中は大きく変わっていくことだろうし、世代交代も一気に進むであろう。

今年の新入社員達にとって、社会人としての門出は異例ずくめのスタートとなってしまったが、ある意味では新しい時代の象徴的存在であると言えるかも知れない。

今後、彼らが我々ドリーム・アーツの永遠のテーマである「協働・協創」を体現し、世の中の役に立つ製品やサービスを生み出してくれることに大いに期待したい。

プロフィール
前川 賢治
株式会社ドリーム・アーツ 取締役 執行役員 兼 CWO(チーフ・ワォ・オフィサー) 前川 賢治(Kenji Maekawa)
  • 大型汎用コンピュータ向けソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
  • 本コラムでは、バブル後の大不景気を経て企業体質も健全化に向かっている現在、より現場力を高めるために「人」の「協業」をいかに支援し、革新していくべきかを考えます。

ニュース一覧に戻る