全日本空輸株式会社様

全世界に展開するグループ150社、10,000人が活用するグローバルポータルとして、INSUITE®を採用

ANA
全日本空輸株式会社

全日本空輸(以下「ANA」)は100社を超えるグループ会社を擁し、年間旅客数4,700万人を超える世界トップクラスの航空会社である。安全運航を堅持しつつお客様の満足を高め「アジアNo.1のエアライングループ」を標榜している。

導入概要
導入時期
2008年12月
構築期間
約6ヶ月
利用規模
約30,000CL
(全グループ会社のうち約50社に導入)
導入のポイント
  • 直感的な操作性で3万人がスムーズに利用
  • 大規模導入の実績に裏打ちされた安定性
  • 社内キャンペーンで利用率向上を実現

2008年12月、ANAグループは新世代情報基盤としてINSUITE®Enterpriseとひびき®Sm@rtDBを稼働させた。利用開始から1年を経過し、改めて製品の選定、構築から利用までの経緯について、全日本空輸株式会社IT推進室服部達志主席部員、同佐藤愛氏、全日空システム企画株式会社ビジネスシステム部杉原弘貴マネージャーにお話しを伺った。

【新世代情報基盤への移行に際して新たに加えられた目的】
新ワークスタイルの検討、システム面での本業への資源集中

ANAグループのグループウェアは社員から『KWiN(KnowledgeWorkinNetwork)』の愛称で親しまれている。Notes/Dominoで構築された第一世代は、利用開始から7年が経過し、老朽化や安定性面での課題が出始めており、新システムへの移行を検討することになった。

ビジネスシステム部 第三チーム マネージャー 杉原弘貴氏 ビジネスシステム部 第三チーム マネージャー
杉原弘貴氏

きっかけはシステム老朽化の更新。「旧KWiNでは老朽化によりシステムの稼働状況が不安定になりつつありました。また、サーバーリソースの関係で、数分間離席するとセッションが切れ再ログインを強制される仕組みになっており、ユーザからは使い勝手が良くないという声が上がっていました。Dominoで再構築することも考えられましたが、今回はパッケージ製品中心でいくというIT推進室の方針の元、検討をしてまいりました。」(杉原氏)

新たな目的、『新ワークスタイルの検討』が求められた背景には、同時期にANAグループ中期経営計画の中核となる『NVP(NewValueProject)』が立ち上がったことがある。NVPは、成田/羽田の発着枠拡大や羽田の24時間化など事業拡大の絶好のチャンスを迎える一方で、JRや新規参入の航空会社との競争が激化する中で『ANAグループの飛躍的な事業の拡大にあたり、体制の拡大ではなく、生産性を高めた現有体制にて推進する』ことを目的とするプロジェクトであり、2010年という明確なゴールに向け、既に実行フェーズに入っている。このNVPの一環としてKWiNを活用した新しい働き方も検討されることになった(具体例は「スケジュール徹底活用キャンペーン」で後述)。

2つ目の目的としては、『システム面での本業集中』、すなわち航空関連システム以外の領域でのインフラとアプリ両面での積極的なアウトソーシングが挙げられる。これまで内製化してきた開発・運用を、新KWiNでは構築から保守・運用まで総合的なアウトソースに切り替えた。

また、アプリ面でも旧KWiNでは「ポータルのレイアウト変更など、軽微な改修も都度時間とコストがかかっていた。」(杉原氏)のに対し、新KWiNでは、パッケージの強みを生かして「そもそも設定変更などで対応を完結できる範囲が広く、要望を絞りこんでアドオンできました。」(佐藤氏)

また今後は「『ドリーム・アーツが顧客要望をロードマップに反映させることと、INSUITEのコンスタントなバージョンアップにより機能強化が図れる』点は大きなメリットと思っています。」(杉原氏)

【INSUITE選定の3つのポイント】
直感的な操作性、機能要件の充足、大規模安定稼働の実績

製品の選定項目が詳細を極める中で、最終的な選定のポイントを伺った。「INSUITEを選んだ決め手は、『操作が直感的でわかりやすかった』点です。3万人の社員に個々に教育をするのは現実的ではない。

INSUITEなら機能さえ整えれば、利用が自然に浸透していくという期待が持てました」(服部氏)。導入にあたってマニュアルやガイドを掲示し、各事業部のリーダーに対して説明会を開催してトップダウンでの浸透活動に巻き込むなど、IT推進室を中心とする事前の緻密な活動に導かれて、滑り出しは順調であり、「3万人がスムーズにINSUITEを利用している」(服部氏)とのこと。

また、豊富な標準機能に旧KWiNの機能と似ている部分も多く、要件とのギャップが少なかったことや、パッケージ製品ではあるが、個別要件はアドオン対応する点も高く評価。数万人規模の利用実績が豊富であることも選定を後押ししたという。

IT推進室 経営サポート系担当 主席部員 服部達志氏 IT推進室 経営サポート系担当 主席部員
服部達志氏

【導入から利用開始まで】
半年間でシステム移行を達成できたのは、それぞれのスキルの高さとチームワーク

新KWiNは、ANAグループ全員が活用する大規模なシステムにもかかわらず、約6ヶ月という短期間で移行を完了した。その秘訣を伺った。

「短期間でスムーズに移行できたのは、要件をインテグレーターが確実に受けとめ、メーカーがパフォーマンスの高い製品を提供したというチームワークがあったからこそだと思います。」(佐藤氏)

全日空システム企画の高い要件定義能力、NTTコミュニケーションズの高度な構築・運用サービス、各社の息のあった連携がなくては、短期間での移行は実現しなかったと佐藤氏は強調している。

稼動に向けては、1ヶ月のトライアル期間中に必要な修正を加え、全社展開時には1ヶ月の並行期間を設けて綿密に移行を進めた。結果、大きなトラブルもなく切り替えを完了し、導入後も安定稼動している。「提案時に大規模ユーザ向けの導入実績は伺いましたが、正直、当初はシステムの安定性が心配でした。実際にANAグループ3万人の利用環境で稼働してみないと分からなかったので。それが利用開始以降システムの稼働率は非常に高いレベルを維持していますので、あらためて感心しています。」(杉原氏)

IT推進室 経営サポート系担当 佐藤愛氏 IT推進室 経営サポート系担当
佐藤愛氏

【利用定着の工夫】
トップダウンで行われた「スケジュール徹底キャンペーン」

ANAグループ3万人での利用が始まった新KWiN。定着に向けた工夫を伺った。「新KWiNの全社利用を習慣付けるために、社内キャンペーンを実施することにしました。はじめに実施したのが『スケジュール徹底活用』です。旧KWiNの反省も踏まえ、一連の活動はトップダウンで強制力をもって巻き込んでいきました」(服部氏)。

旧KWiNのスケジュール機能の利用率は3割程度、会議調整用に別グループウェアを利用している部署もあった。調整にはメール、電話と非常に時間がかかっていた。INSUITEに統一したことで、全員のスケジュールが参照できる。「空いている隙間に登録するだけで調整がつくので、非常に楽になった、との声が多い」(服部氏)という。

『全員が必ず使う』という初期のハードルを越え、現在は討議自体の『質を高める』動きに向かっている。事前にアジェンダを決める、会議時間を2時間以内に収める、最新の検討資料をスケジュールに添付し事前共有するなどの運用ルールも配信しているという。NVPでは、会議の必要性に関する分析も始まり、更なる業務改革が進展しそうである。

【システム利用度合いの計測】

ANAグループのシステム活用へのこだわりは、利用法の啓蒙にとどまらず、利用度合いを常に定量的に計測し、改善を繰り返していることに現れている。運用を行うNTTコミュニケーションズがログイン数やコンテンツへのアクセス数、データ登録数を収集・分析してグラフ化し、浸透度合いを毎月測っている。前述のスケジュールキャンペーンも浸透度合いを確認しながら実施期間の延長などの措置をとった。その結果、現在のシステム利用率はほぼ100%に達しているという。

【新KWiNの画面構成】「個々の社員に必要な情報を埋没させない工夫、全員に使ってもらうことへのこだわり」

メインポータルには、グループ全社員が良く使うコンテンツを配置している。左サイドには、全社員に必要な情報(例えば伊東社長からのホットメッセージ、搭乗実績など)へのリンクを配置している。メインスペースには、経営メッセージ、部門メッセージなどカテゴリー分けされた掲示板が占め、ログインユーザに関係する情報のみを絞り込んで表示させることで埋没を防いでいる。右サイドは新着メール表示や他システムへのリンクなどが並ぶ。ページにはNVPのイメージカラーである若草色を配色。メールや申請フォームなど頻繁に使うコンテンツへはKWiN経由のみにアクセスを限定し、利用頻度の向上や重要メッセージの周知を図っている。

【今後の展開】「生産性向上を実現するツールとして今後の発展に期待」

お三方は、「今はまだ旧KWiNの機能を乗せ替えただけ」と謙遜される。「スケジュール登録の徹底による調整業務の効率化は実績を出しましたが、(それ以外の機能については、導入時の混乱を防ぐ意味でもまだ『蓋をしている状態』にあり、職種や部署の多様性を考慮してルールを決め、徐々にオープンにしていくことを考えているため)まだ60~70%しか使いこなせていない。新KWiNをどのように活用するかが今後の課題です。」(服部氏)

さらに、「NVPにより生産性の向上に向けて業務構造改革が進んでおり、その活動を支援するツールとして、新KWiNへの期待も高まっていると感じています。ドリーム・アーツには、これからもいろいろとアドバイスをいただきながら、それをヒントにさらに活用を展開していきたいです。」(服部氏)

今後のANAグループとINSUITEの発展に期待が高まる。

ANAインタビュー

プロジェクトメンバーであるドリーム・アーツの社員について「製品に愛がある」

最後に、ドリーム・アーツの社員の印象を伺ったところ、以下のように表現して頂いた。

「ドリーム・アーツの社員は個性的な方が多いですね。冷静で高い判断力を持つカスタマーサポートのマネージャー、黙々と着実に仕事を遂行していくSE、製品を心から愛しているCTO。社内の雰囲気がいいから素晴らしい製品が生まれてくると思います」(佐藤氏)