Designers コラム 2020年12月11日

あえてメンタルモデルから外すという選択

あえてメンタルモデルから外すという選択

※本記事は、noteに連載している「ドリーム・アーツ Designers」からの転載となります。

こんにちは!先週こたつを出しました。ドリーム・アーツのデザイナーです。
今回は、ドリーム・アーツ製品の一つであるSmartDBに携わるデザイナーの、Yさん(入社6年目)とWさん(入社4年目)へインタビューをしてきました!
どうぞ最後までお読みくださいね!

予習:SmartDB(スマート・デービー)とは

SmartDBはすでに多くのお客様にご利用いただいている、文書管理とワークフローシステムを搭載した「大企業向け業務デジタル化クラウド」です。
稟議や文書管理など紙媒体で行なっていた業務を、ノンプログラミングでデジタル化でき、きめ細やかな設定で複雑な業務にも対応できます。 SmartDBについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

引き出すデザイン

ーまず携わっている業務内容について教えてください!

Yさん
私はログイン後すぐに業務を始められるように、という意図で作られたトップ画面に携わっていました。期間としては、大きな改修作業だったので半年くらいかけて決めていきました。
Wさん
私は機能の改善やスマホで利用していただけるアプリ制作などに関わっています。ボタンやアイコンなど粒度の小さい依頼が多いので、大体数日程度で次の仕事にとりかかるサイクルです。Yさんとは逆ですね。

ーどのように仕事を進めていくのですか?

Yさん
私のほうは、昔からSmartDBに関わっているメンバーと「どう従来のSmartDBの良さを残しつつ、いいところを生かしていくか」を時間をかけて話し合いました。毎週検討会をしつつ、並行してUIの案を書き起こす作業をしていました。
Wさん
私もアプリのUIを考えるときは、文字ベースでは想像がつきにくいので、毎週ブラッシュアップしたワイヤーフレームを見せていました。 メンバーの頭の中を引き出すために、改善を繰り返しつつ具体的なイメージに落としていく形です。
Yさん
作業フローとしては、メンバーの頭の中を会議で発散させて、それを具体的にすることで更なる見方を引き出す、みたいな形だね。

ーチームの特徴などはありますか?

Wさん
SmartDBは、開発メンバーの拠点がバラバラなのが特徴かなあ。距離が離れているということもあり、少しでも壁を取り払おうと週一で相談会を組んでいます!
Yさん
あとは、機能毎に担当している人が固定されているのも特徴かな。チームがそもそも各機能で違うので、デザイナーは臨機応変・縦横無尽に参加する形になっています。
他拠点のメンバーと組んでやっていた時は、直接会うことができないからこそ、こまめに反応をして一緒に仕事をしていることを忘れないように心がけていました。
Wさん
メンバーの意見をひきだすためにいろいろな工夫をしてるよね!

今のお客さまと未来のお客さまのバランスをとる

ーSmartDBでは、どんなことを大事にしてデザインをしていますか?

Wさん
今すでに利用されているお客様はもちろん、未来のお客様にも、使いやすいデザインを目指しています。ワードとしては、親しみやすいとはまた違う、「懐が広い、つい頼りたくなる」感じです。
Yさん
そうそう。「私でもできそう感」をSmartDBでは大事にしています。
ITリテラシーが高く無い人にも「何かできる!」と思えるようなきっかけがないと使い込んでもらえない。なので、そういう人にも使ってもらえるように、「とっつきやすい」デザインする工夫をしています。
例えば、文字がただ並ぶのではなくアイコンで表現したり、文言をわかりやすく工夫したり、エンプティー画面で業務イメージを湧きやすく工夫したり。
Yさん
ただし、全てをわかりやすくすればOKではない側面もあります。SmartDBには、今まで培われてきた製品文化と、使ってらっしゃるお客様と、それを長年見てきた社員がいます。そんな中で、時代に合わせて新しく、よりお客様に寄り添ったものになるように脱皮しなきゃならない。
より良くしていく期間なんです。ただそこが難しくて。
Wさん
新しい見た目を考えても、「お客さんはこれで使い慣れてるから」とかでなかなか変えにくいこともありますね。でもそれはそれで、凄くわかる…!
Yさん
デザイナーなりの考えがあって提案しても「それはお客様からしたら違うと思う」という指摘が入ることもあります。デザインの良いと、使い慣れたお客さんからした良いが違うことがあるんです。

社内でプロダクトを磨き上げる

ー開発をしていて難しいところは?

Yさん
営業の方のミーティングに参加することがあって、主に「お客さんにこう言われたよ」というフィードバックをしてもらう場なのですが、そこでいろいろと厳しい意見を言われることもあります。
メンバーは様々な会社の意見を取り入れてはいたのですが、想像で進めている部分も多く、現場の声からは遠かったんです。プロダクト側で想像していたユーザー像と実際のユーザーにギャップがあった。

ただ、言われたら「ちゃんと改善しよう」という意識は強いかなと思います。
Wさん
最近では、エンジニアから積極的に細かい罫線や文字の大きさなどの質問・提案を出す人もいますね。凄く仲良し!というわけではないけれど、「製品を良くするためにはどうしたらよいか」を考えてあえて提案してくれているのかなと思いますね。
Yさん
まさに「建設的対立」だね!(笑)

機能を人や場所ごとに収納し直す

ー複雑なシステムの見せ方はどうしていますか?

Yさん
それでいうと、リストの項目が多すぎたのでUIで削ろうとしたら、「(それではユーザーの)業務が回らない」と止められたことがあります。 とはいえ全て出して置くわけにもいかないので、使用頻度の低いサイドメニューは管理者モードへ仕舞うなどの工夫をしました。「どの情報を見せればお客様の業務は担保できてかつスッキリした画面で作業できるのか」を考えて設計してます。
Wさん
たしかに、今は便利そうな機能を全て出している状態なので、その情報を整理したいと思いますね。「これは本当にここに必要か?」を吟味して、もの(機能)を捨てるのではなく、置く場所を用意していってあげたいと思います。
Yさん
あるべきところに戻す作業をしたいね。使い勝手毎に住処を分けてあげたい。
今は「あれこれやりたい人」への案内が発展途上だから、今後は画面によってやりたいことがすぐ分かるように情報を整理して表示してあげたい!

今後やりたいこと

ー今後やっていきたいことを教えてください!

Yさん
まだまだハードルが高い部分はあるけど、業務デジタル化をサポートする製品の界隈で有名になりたい!(笑)
業務への適応性が高いけど、直感的で、「とっつきやすい!自分でもできるぞ!」と思ってもらえるプロダクトを作りたいと思ってます。
今は「噛めば噛むほど味がある…」プロダクトなので、今後は「食べた瞬間から美味しい!さらに何度食べてもあきない美味しさ!」なプロダクト<.にしていきたいです。
Wさん
私は製品がマルチデバイス対応として、「業務を持ち運べる」を目指しているので、「機能としてどこまで持ち運べるか?」を吟味していきたいですね。持ち運べる人がどういう機能を欲しているのか、そういうところがデザイン的に重要になってくると思っています。

おわりに

ニーズがとても高い製品に携わっているからこそ、今まで使っていただいてる方、新たに使い始めていただいている方、両方のお客様の反応がすぐ返ってくるのはデザイナーとして励みになりますね。

デザインチームはよりユーザーに近いポジションで、「業務改革を支えるデザイン」を考えていきますので、今後ともSmartDBをよろしくお願いいたします!
ここまでお読みいただきありがとうございました!

プロフィール
株式会社ドリーム・アーツ UXPG(UX Promotion Group)のデザイナーたち

株式会社ドリーム・アーツ

  • 2020年から「note」において「ドリーム・アーツ Designers」のタイトルで隔週で、ドリーム・アーツのデザイナーのお仕事にまつわる記事を発信しています!

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