外国人スタッフの育成が鍵!小売業の未来を支えるAIルビ生成機能とは
2025年6月12日

外国人スタッフの育成が鍵!
小売業の未来を支えるAIルビ生成機能とは

こんにちは!プロモーション&ブランディング本部の上野谷です。
私がよく行くコンビニにはベトナムや韓国人など多国籍の外国人スタッフが働いています。お客さんが来ると元気な挨拶が飛び交い、通いたくなるコンビニだなと感じます。
今回はそんな小売業界で働く外国人スタッフの活躍ついてお話していきます。

外国人スタッフの育成が急務となる背景

人口減少が加速する日本では、外国人労働者の活躍が拡大し、2024年10月時点で外国人労働者数は約230万人と過去最多(※1)を記録しています。

その中でも外国人を雇用する事業者は「卸売業、小売業」が最も多く、全体の18.7%となっています。(※2)

厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ【本文】」p10より

また国籍も多様化しており、ベトナムが最も多くなっています。増加率でみるとミャンマー、インドネシアが高くなっています。(※3)

厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ【本文】」p6より

※1,2,3 参考:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50256.html

立ちはだかる言語の壁、日本語教育の必要性

上記のように多国籍化が進んでいる小売業界では外国人スタッフの育成が急務になっています。それには言語の壁が問題になることが少なくありません。

厚労省が2024年12月に公表した雇用実態調査で「外国人労働者の雇用に関する課題」を聞いたところ、最も多かったのは「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」で45%となっています。(※4)

実際にShopらんのユーザーからも
「外国人スタッフへの情報の伝達が難しい…」
「外国人スタッフが日本語で業務指示を確認することができれば、より幅広い業務で活躍してもらえるようになるのに…」
という声を聞きます。

その一つの解決策が翻訳となりますが、翻訳の精度はツールや言語によってまちまちであり、細かいニュアンスまで正しく翻訳されない可能性があります。

少し話がそれますが、ドリーム・アーツでは自社独自の社内用語を「DA用語」と称し、50語近く存在しています。
これだけの社内用語を作っているのには、代表山本の以下のような考えがあります。

言葉(文字や音声)に対して、人が思い浮かべるイメージや、その言葉が指し示す概念や定義、その関係性は「シニフィアン」(signifiant)と「シニフィエ」(signifié)という言葉で説明できる。シニフィアンは「指し示すもの」、シニフィエは「指し示されるもの」という意味。例えば、「木」という文字や音声がシニフィアンで、「木」という言葉が指し示すイメージや概念、意味がシニフィエにあたる。

同じシニフィアン(言葉)を使っている人同士であっても、そのシニフィエ(意味)を共有していないとコミュニケーションにはロスが生まれ、いい仕事はできない。
多様なバックグラウンド、経験、インテリジェンスを持った人たちが、一つの目標に向かって協力、連携し合ってものごとを進め、アウトプットを出す。それには、シニフィエ(意味)を共有するシニフィアン(言葉)を活用することが欠かせない。

 

この考えは、多言語間でのコミュニケーションにおいても共通しています。翻訳で同じ「シニフィアン」(言葉)を指し示すことはできますが、その「シニフィエ」(意味)は異なる場合があるからです。同じシニフィアン(言葉)を思い浮かべている人同士であっても、そのシニフィエ(意味)を共有していないと、コミュニケーションロスが生まれ、オペレーションの質低下につながります。

同じ「木」という言葉でも、広葉樹を思い浮かべる人もいれば、針葉樹を想起する人もいます。

そのため単純に翻訳すれば言語の壁が解決されるとは限りません。英語「以外」の母国語を持つ外国人に対しては特に注意が必要です。(特に労働者として増加傾向にある、ベトナム人やミャンマー人など)日本語を各外国人スタッフの母国語にそのまま自動翻訳したとしても、多くの場合は正しく伝わっているかを確認できないからです。
「翻訳結果が合っているのか分からないので、間違って伝わってしまう恐れがある。」のです。

 ※4 参考:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46975.html

外国人スタッフの活躍を支援!店舗の競争力を上げる「ルビ生成機能」

これらの課題に着目してドリーム・アーツはShopらんの新オプション「ルビ生成機能」をリリースしました。
https://shoprun.jp/news/press-release/press20250520/

AIを用いて、お知らせの本文に自動でルビ(ふりがな)を振ることができます。
漢字を読むことが難しい場合でも、ルビ(ふりがな)付き=平仮名で内容を確認することが可能になります。

 

ルビ付きで通達を読むことは、翻訳されたものを読むことに比べて、2つのメリットがあります。

 

1:細かいニュアンスを日本語でそのまま伝えることができる

翻訳機能も便利ですが、「正確に訳すことができているか」を確認するすべがないため、コミュニケーションロスが発生、オペレーションの質低下につながる恐れがあります。

例えば、「棚割り」は日本特有の小売専門用語で、英語に翻訳すると「shelf allocation」や「planogram」と直訳されますが、「棚割り」という言葉に含まれる日本独自の商習慣が完全は伝わりません。
居酒屋などで定番の「お通し」も英訳すると「appetizer」や「cover charge dish」となりますが、席に着いたら注文していなくても提供される点、料理が出てくるまでの「つなぎ」としての役割や、店のおもてなしの一環とされている文化的背景は含まれません。
ルビ付きの日本語では、小売業の専門用語や社内用語をそのままのニュアンスで伝えることができるため、オペレーションの質を落とさずに、まだ日本語に慣れていない外国人スタッフにも仕事を任せることができます。

また日本語能力検定の一番易しいレベルであるN5レベルでは、ひらがなやカタカナが読めることが認定の目安となっており、採用の基準として定めている企業もあります。

外国人スタッフが活躍できる環境を作ることで、店全体のオペレーションが強化され、他店舗との競争力を上げることにつながります。

※14か国語に対応する翻訳機能もありますので、それぞれのスタッフや通達の内容に応じて使い分けることも可能です。

 

2:日本語の勉強に活用

小売業界において外国人労働省が増加している背景から、外国人スタッフを未来の店舗運営を担う人材として育成していくことが、今後不可欠になることが予想されます。
翻訳で内容を理解することは簡単ですが、日本語に接する機会を増やすことは、小売業界の将来を作る人材育成という面でも、また日本で生活することの手助けともなります。

最後に

小売企業にとってオペレーションの質を高めることは、他社との競争力を高める上で非常に重要です。そんな企業の財産ともいえるマニュアル等の指示や通達を日本語で理解してもらうことは外国人スタッフへの配慮だけでなく、店全体の強化にもつながります。

また優秀な外国人スタッフを育成、安定して働いてもらうことも、未来の小売業界において必要不可欠になってくると考えられます。

ドリーム・アーツのShopらんはこれからも多店舗ビジネスを支援するコミュニケーションサービスとして、小売業界の課題に向き合いながら、チェーンストア・小売業界の現場力向上を支援していきます。

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