西日本鉄道株式会社様

グループ3500名の情報共有基盤をINSUITE®で構築

西鉄
西日本鉄道株式会社
設立年
1908年

西鉄グループ(82社1学校法人:2011年10月末現在)の中核企業である。運輸・流通・不動産・ホテルなど、地域密着型の事業を展開しており、中でもバス事業はグループ全体で約3,000台もの車両を保有するなど、日本屈指の営業規模を誇る。また、日本で初めて国際航空貨物の混載事業を開始した国際物流事業は、海外20か国以上に拠点を持ち、グローバルな事業展開を行っている。

導入概要
導入時期
2011年9月
構築期間
約6ヶ月
利用規模
700CL
導入のポイント
  • 共通の情報基盤でグループ会社間の連携を強化
  • 規模利用で強化されてきた操作感と安定性
  • 2段階の研修で利用促進とルールの浸透を実現
プロダクト
INSUITE®
EIP型グループウェア

西日本を代表する交通事業者である西日本鉄道株式会社(以下、西鉄)。2011年2月には国内の航空貨物大手事業者では初めて認定経済事業者(AEO※1)通関業者の認定を受けた。さらに同年9月には中国に新拠点を設立するなど、世界に向けてビジネスを加速している。2011年9月、グループ共通の情報共有基盤としてINSUITE®を稼働させた西鉄に導入から利用までの経緯について、お話を伺った。

※1AEO(AuthorizedEconomicOperator)制度:貨物のセキュリティ管理やコンプライアンスの面で必要な体制が整っている輸出業者や輸入業者に与えられる認定制度。認定されると通関手続きが簡便になるなどの利点がある。

導入背景

稼働の安定性と、グループ間の共通ツールを

西日本鉄道株式会社 経営企画本部 IT推進部 課長 是木信幸氏 西日本鉄道株式会社
経営企画本部 IT推進部
課長 是木信幸氏

情報共有基盤として1997年に導入し長年にわたり活用してきた旧システムは、web版へのバージョンアップを経たが、大きな課題を抱えていたと扇野氏は説明する。

「稼働の安定性という面から、利用者や利用頻度の増加に対応できなくなっていました。負荷が高い状態で使い続けていたため、システムがダウンしないように常に監視し、接続制限を頻繁にかけなくてはなりませんでした」

また、旧システムの製品上の問題点もあった。メールの受信フォルダに受信数制限があり、上限を超えてしまうとシステム全体が止まってしまう仕組みになっていたのだ。システム停止を回避するため、メールの受信後、定めた日数を超過するとバッチ処理をして強制的に消していたのだが、それでもしばしば止まりかけることがあったという。

さらに、バックアップをとる際にはシステムを全て止めなくてはならず、やむを得ず深夜に作業をしていたが、夜でも海外とのやりとりが発生する国際物流部門には不便を強いてしまっていた。「システムの機器構成・インフラも陳腐化しており、システムの強化も課題になっていました。当然レスポンスも悪化しており、ユーザ部門からは『普段の業務で当たり前に使いたい道具が使えない』、と苦情があがっていました」(扇野氏)

また、新システムには西鉄グループとしての想いもあった。それまで、グループ内の各会社はバラバラの情報共有基盤を利用しており、不便さを感じていたのだ。「グループ企業間でのやりとりや出向なども多いのですが、道具が違うと情報の伝達がやりづらい。今後のグループ経営を円滑に進めるためにも、コミュニケーションツールを統一することが必要だと考えていました」(扇野氏)

西日本鉄道株式会社 経営企画本部 IT推進部 係長 扇野幸一氏 西日本鉄道株式会社
経営企画本部 IT推進部
係長 扇野幸一氏

選定ポイント

大規模利用に適した操作感と安定性

これらの課題を解決するソリューションを検討するため、西鉄のIT推進部と西鉄情報から選抜された9名のプロジェクトチームが立ち上がった。複数のソリューションの情報を収集し検討が進められたが、INSUITE®の評価はどうだったのか。

西鉄インタビュー 「INSUITE®を最初に見た時の印象は、“シンプルでわかりやすい”。それが操作にも反映するのではないかと思いました」(荒巻氏)

大規模、しかも多様な業種が含まれるグループ企業での利用を考えると、多機能であっても画面や操作は誰にでもわかりやすく直感的であることが求められる。INSUITE®はユーザエクスペリエンス※2を重視しており、お客様がやりたいこと、実現したいことをスムーズに行えるように設計している。特に大規模組織での利用に関しては、多くのお客様の声を反映して強化してきたことが評価につながった。

他にも、「安定稼働」はもちろん、「情報セキュリティの向上」、「スマートフォン/コミュニティ機能など新技術への対応」などを要件として比較検討を進めた。ある程度ソリューションを絞り込んだ段階で点数をつけた。製品の印象、価格、拡張性などのポイントごとに配点し、その積算で一番点数が高かったのがINSUITE®だった。「2位とはけっこう差がついた」(扇野氏)という。

しかし、西鉄には点数からは読み取りにくい“安定稼働”という課題があった。そのため、最終判断をする中で実利用しているユーザを直接訪問して状況をヒアリングしたのだという。

「利用ユーザの生の声が聞きたい、本当のところはどうなのかを知りたい、という思いで、実際にINSUITE®ユーザにヒアリングに行き、動き、使用感、レスポンスなどを聞いてきました。実ユーザから話を聞けたことで、不安が払拭されました」(扇野氏)

※2ユーザエクスペリエンス:製品やサービスを利用したときに得られる体験のこと。ユーザが真にやりたいことを「楽しく」「面白く」「心地よく」実現できるかどうかを提供価値とする概念

導入の工夫と効果

人事システムとの連携で運用負荷を軽減

ソリューションも決定し、いよいよ構築作業へと入った。ところが、データ移行の段階で会社ごとに移行元となるシステムの運用方法が違う為、予想外に苦労したことがあったという。荒巻氏は次のように当時を振り返った。「データの移行元は人事システムと旧システムの2種類があり、各社の運用方法の違いにより、ある部分は人事システムから、ある部分は旧システムからと、複数の移行パターンを作るのに苦労しました」

運用方法が違えば、マスターとして登録する内容や範囲も異なるため、情報の精度がまちまちになってしまう。そのため、大規模な異動のときには、準備に1ヵ月以上かかっていた。今回、情報整理をし人事システムからの取り込みをツール化した事で、次回の人事異動では格段に作業時間が減る事が予想されるという。

「ただ、やはり運用方法の違いで、取り込みツールを使用出来るのは一部の会社のみに限られていますので、今後は、このツールを拡大していく事でより一層、作業時間の短縮を実現したいと思います」(荒巻氏)

人本番に近い環境での負荷テスト

導入プロジェクトは順調に進み、検証環境も構築された。検証段階で重点的に確認したのは、やはり“安定稼働”だった。そのため、実稼働の半月前に西鉄情報がパイロットでINSUITE®の利用を開始し、何の問題も発生しないことが確認できた。次に実利用時と同等程度の負荷でテストをしてみることになった。負荷テストは、“100名が5分間に100通のメールを一斉に出す”というもの。繰り返しテストを行った結果、負荷も上がらず、運用上も何の支障もないということを確認できた。

「旧システムで一番大きな課題であった“安定稼働”はどうしても気になる部分でしたので、実際の使用環境に近い形で検証をして問題がないということが確認できたのは、大きな安心感につながりました」(宮崎氏)

新旧システムを数日間だけ並行稼働

順調に導入作業が進んでいったが、最後に問題になったのが旧システムから新システムへ切り替えるタイミングである。ある時点で一斉に切り替える方法と、一定期間だけ並行稼働する方法があるが、検討の結果、数日間だけ並行稼働をする方法をとった。

「週の半ばから稼働を開始したのですが、月曜日が最も利用が集中して負荷が高くなることから週明けまで様子を見ていました。月曜日もびくともしなかったのを確認してから旧システムを止めました。並行稼働の期間については『もっと長いほうがいいのでは』という意見もあったのですが、ユーザはどうしても慣れているシステムを使いたがるので、安定稼働を確認できた時点で強制的に止めることにしました」(扇野氏)

検証環境で十分に手ごたえを得てはいたものの、本番では何が起こるかわからない。万が一のことを考えると一斉に切り替えるのはリスクが高いと判断したのだ。もちろん、並行稼働の間はメールを新旧両方のシステムに送られるようにするなど、ユーザの業務に支障をきたさないための準備も万全だった。

西日本鉄道 全体の流れ

ニ段階の研修で効果アップ

稼働前には、利用促進とルール徹底のため、2ヶ月をかけてユーザ向けの研修を実施した。
ここにもスムーズに利用を浸透させるための工夫があった。

「最初に、西鉄の各部門とグループ各社からそれぞれ1~数名の代表者を選んでもらい『キーマン研修』を行いました。その次に全ユーザを対象にした説明会を行いました」(扇野氏)

キーマン研修には各部門のリーダークラスでパソコンの操作に明るい人を選出してもらい、実機で操作方法を覚えてもらった。ねらいは、システム部門だけでは全てのユーザの質問に対応しきれないことと、簡単な操作に関する質問についてはキーマンに対応してもらうことによってスムーズな移行を図るためだった。ユーザにとっても、同じ部門内で気軽に質問ができるうえ、同じ画面を見ながら教えてもらったほうが理解も早い。情報システム部門、ユーザ部門相互にメリットが大きかった。

キーマン研修の後、全てのユーザに向けて全体説明会を実施した。1ヶ月半かけて全国7か所と一部のグループ会社で行い、その回数は合計73回に及んだ。研修では、新システムの使い方やデータ移行の方法などの説明はもちろん、システムを変えることの主旨、使い方のポリシーについても詳細に説明した。ポリシーを伝えることの重要さについて、扇野氏はこう語る。

「使い方のポリシーは全社にきちんと浸透させてなくてはなりません。『外部に重要な情報を送るときには暗号化をする』などのセキュリティに関すること、『メールのTO/CCの使い分け方』、『掲示板利用の制限事項』などの社内ルール、『メールを随時整理しましょう』、といった利用に関する注意事項などが挙げられます。ごく当たり前の事ばかりですが、常に伝えていかなくては忘れられてしまうので、この機会に改めて説明しました」

全スタッフへのポリシーの周知徹底は一朝一夕にはいかない。ましてやグループ会社を含めてとなると周知度にバラつきが出てしまいがちだ。また、習慣として定着させることができなければ、時間の経過とともにユーザの意識が薄れていってしまう。その点、新システムの導入時は、ポリシーを浸透させるのには絶好のタイミングである。西鉄のように、使い方と同時に説明することによって、自然にポリシーに沿った利用方法を根付かせることができる。また、グループ内のルールが統一されたことで、グループ会社間でもストレスなくスムーズな情報共有が可能になった。

説明会終了後には、自席に戻ったユーザが実際にすぐ触れられるように検証環境を準備。検証環境のなかにマニュアルを配置することで、それを見ながら使ってみることができるようにした。 また、メールを送って『このメールにINSUITE®で返信してみてください』といって試用を促すなど、システム変更への抵抗感をやわらげるための様々な工夫が行われた。

西鉄情報システム株式会社 管理本部情報管理グループ 次長 荒巻順一氏 西日本鉄道株式会社
管理本部情報管理グループ
次長 荒巻順一氏

導入の効果

運用の負荷が大幅に軽減

西鉄情報システム株式会社 管理本部情報管理グループ 課長代理 宮崎敬氏 西鉄情報システム株式会社
管理本部情報管理グループ
課長代理 宮崎敬氏
こうして準備万端で サービスインを迎え、スムーズに利用が開始された。順調に滑り出したINSUITE®利用。ユーザの反応はどうだったのか。

「問い合わせや苦情の電話がたくさん来るのではないかと心配していましたが、意外なくらい少なかったですね。使い方がわからない、といった問い合わせが若干ありましたが、苦情めいたものは無いに等しいです」(荒巻氏)

旧システムで一番の課題であった稼働の安定性についてはどうか。

「体感的にサクサク動いています。当然のことではありますが、各機能がストレスなく動いていることが一番の効果です。さらに、西鉄のみですが、シングルサインオンにより他の社内システムと連携し利便性が向上しました。ポータルを開いておけば、そこが仕事の入り口になります」(扇野氏)

運用にかかる負荷は劇的に軽減されたということですが。

はい。「ひどいときは一日中対応をしていました。常にレスポンスのグラフを監視していて、危なそうになったらすぐに対応しなくてはならなかったのですが、その業務から解放されたのが大きいです」(宮崎氏)

今後の展開

さらなる進化を期待

今後の展開について伺った。 「今はグループ会社のなかの一部の会社の利用に止まっていますが、グループ会社共通の情報共有基盤として、今後もグループ内に展開していきます。また、現在はまだ旧システムで使っていた機能を引き継いだだけですので、利用していない機能も順次リリースして、ユーザの利便性の向上を図っていきたいと考えています」(扇野氏)

「現在は全社のポータルのみなので、部門別のポータルも作りたい」と話す是木氏に、最後にドリーム・アーツへの期待で締めくくっていただいた。

「ユーザも利用に慣れてきた様子で、要望がたくさん出てきています。ユーザの声にも応えて発展させていきたいですね。ドリーム・アーツにも要望を伝えていきますので、どんどん進化させていってください」

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