2025年9月30日

【大企業650名に聞いた「DX内製化」に関する調査】 ITベンダーへDXの半分以上を委託している企業は約4割である一方、 DX内製化への意欲は約8割と高い
DX内製化の課題は、現場は「障壁は無い」と管理職は「現場のスキル不足」と回答傾向にギャップ

 大企業向けクラウドサービスの株式会社ドリーム・アーツ(東京本社:東京都渋谷区、広島本社:広島県広島市、代表取締役社長:山本 孝昭、以下 ドリーム・アーツ)は、従業員数1,000名以上の企業に所属する650名を対象に「DX内製化」に関する調査を実施しました。
 調査の結果、DXを外部のITベンダーに委託(「ほぼ全て委託」または「半分以上委託」)している企業が4割以上(41.4%)にのぼる一方で、約8割(78.8%)がDX内製化について「強く推進したい」「できればそうしたい」と回答しており、大企業の内製化への高い意欲がうかがえます。 DX内製化における最大の障壁は、依然として「IT人材不足」でした。 役職別に比較すると、「IT人材不足」に次いで多かった回答は、非管理職は「障壁は無い(33.6%)」、管理職・経営層は「現場のスキル不足(管理職:37.5%、経営層:31.4%)」となり、現場の非管理職と管理職・経営層との間で差が見られました。

調査結果サマリーを示す図

調査背景

 DX推進が企業の競争力強化に直結するなか、外部委託中心のIT開発体制から、変化に迅速かつ柔軟に対応できる内製化へのシフトが注目されています。 特に、業務部門自らがアプリを開発するケースも増えつつあり、テクノロジーの進化によるノーコードツールなどの普及がその流れを後押ししている状況です。
 こうしたなか、ドリーム・アーツでは企業の「DX内製化」に対する意欲、現状の課題、理想像、そして実際の取り組み状況を把握するため、従業員数1,000名以上の企業に所属する従業員650名を対象にインターネットによるアンケート調査を実施しました。

外部ITベンダーへの委託状況「ほぼ全て」「半分以上」を合わせると約4割

 「外部ITベンダーへの委託状況」はどの程度かを聞いたところ、「ほぼ全て外部委託」と「半分以上外部委託」を合わせると41.4%と外部に多くを委託している状況が明らかになりました。 「ほぼ内製」は24.9%と少ない状態です(グラフ1)。

【グラフ1:「外部ITベンダーへの委託状況」について】

グラフ1:DXの外部ITベンダーへの委託状況を示す円グラフ

DX内製化の意欲「強くそう思う」「できればそうしたい」合わせると約8割

 DXの内製化を推進したいか尋ねたところ、「強くそう思う」「できればそうしたい」と回答した人は約8割(78.8%)にのぼり、大企業における内製化への高い意欲が明らかになりました(グラフ2)。

【グラフ2:「DXの内製化を推進したいか」について】

グラフ2:DXの内製化を推進したいかに関する調査結果を示すグラフ

DX内製化の最大の障壁は「IT人材の不足」。次いで多かった回答は、非管理職は「障壁は無い」、管理職・経営層は「現場のスキル不足」となり、役職ごとに認識ギャップも

 DX内製化の最大の障壁は「IT人材不足」の回答が最も多い結果となりました(グラフ3)。 ここ数年「IT人材不足」が課題として叫ばれ続けていますが状況は大きく改善されておらず、人材面の課題は依然として深刻なことが明確です。

【グラフ3:内製化を進める上での障壁】(n=650 複数回答)

 
グラフ3:内製化を進める上での障壁に関する調査結果(複数回答)を示すグラフ

 次点の課題を役職別で見ると、管理職・経営層は「現場のスキル不足(管理職:37.5%、経営層:31.4%)」を挙げた一方で、非管理職では「障壁は無い(33.6%)」という回答が比較的多く、両者の認識に差があることが明らかになりました(表1)

【表1:内製化を進める上での障壁(役職別比較)】

表1:内製化を進める上での障壁を役職別に比較した表

業務部門のアプリ開発経験は3人に1人、
一方、ノーコードとローコード違い説明できる人は約4人に1人と割合が下がる

 「業務部門が自らアプリを作った経験がある」と回答したのは34.3%でテクノロジーの進化により専門人材でなくても開発できる環境が整いつつあることが明らかになりました(グラフ4)。 一方「ノーコードとローコードの違いを説明できる」と回答したのは26.3%と、現場での活用が進む一方で、ノーコードとローコードの違いに対する理解が十分に浸透していない現状が浮き彫りになりました(グラフ5)。

【グラフ4:業務部門が自らアプリを作った経験】

グラフ4:業務部門が自らアプリを作った経験の有無に関する調査結果を示すグラフ

【ノーコードとローコードの違いを説明できる】

グラフ5:ノーコードとローコードの違いを説明できる人の割合を示すグラフ

ドリーム・アーツの考察

 大企業のDX内製化への意欲は高く、業務部門が自らアプリを開発するケースも一定数見られるなど、テクノロジーの進化によって「デジタルの民主化(※1)」が進みつつあります。 しかし現実には、DX人材の不足や現場のスキル不足といった人材面の課題が依然として大きな障壁となっていることが分かりました。 特にここ数年、「IT人材不足」が叫ばれ続けていますが、状況は大きく改善していません。 IT人材に限らず、企業全体で人材が不足するなか、業務部門が自らDX・デジタル化に取り組む必要性は一層高まっていると言えます。
さらに今回の調査では、DX内製化の障壁の認識において、現場と管理職の間でギャップがあることが明らかになりました。 「IT人材不足」に次ぐ課題を役職別で見ると、管理職・経営層は「現場のスキル不足(管理職:37.5%、経営層:31.4%)」とする一方で、現場レベルの非管理職は「障壁は無い(33.6%)」と回答し、両者の認識に差が見られました。
こうした現状を踏まえると、現場により多くの裁量と機会を与え、「DX・デジタル人材を現場から創出する」ことが、今後のDX推進において重要だと考えます。 ノーコードツールを活用し、現場主導の取り組みを促進することで、DX内製化の加速と人材育成の両立が期待でき、ひいては人材不足という構造的な課題の打開にもつながると考えられます。

※1デジタルの民主化とは:https://hibiki.dreamarts.co.jp/smartdb/dejimin/

調査概要と資料ダウンロードについて

 今回発表した調査レポートの詳細は、以下のURLから無料でダウンロードいただけます。

【「IT人材がいない」は言い訳?8割がDX内製化に意欲、
課題感の認識ギャップ、「できる現場」と「現場に懐疑的な管理職」】
https://www.dreamarts.co.jp/report/dair-wp13/
[調査概要]
  • 調査対象:従業員数1,000名以上の大企業に勤めている人
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:650名
  • 調査実施日:2025年9月10日(水)~9月12日(金)

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