ポスト内部統制セミナー

ポスト内部統制セミナー 施行直前に考える運用軽減と形骸化を防ぐ仕組みづくり

内部統制の施行が直前に迫り、各社は規程集作りなどに追われているのではないでしょうか。しかし内部統制は、法制度対応を超えて全社的に業務の見える化と標準化を進め、経営スピードと競争力向上を図る環境整備の絶好の機会です。

「ポスト内部統制セミナー第2弾」とする今回は、前回からの「内部統制の本質は企業価値向上させてこそ効果がある」という考えをさらに推し進める内容にしております。

基調講演では牧野弁護士から最新の企業の対応傾向をお伝えし、上場企業クレオの大矢CFOから、内部統制に関する現場の悩みや改善の取組みを講演します。そしてドリーム・アーツからは、内部統制の形骸化を防ぎ、攻めの武器に活かす仕組みを紹介致します。

セミナー概要
日時
2008年3月21日(金)14:00-17:00
会場

日本ヒューレット・パッカード株式会社

東京都千代田区大手町2-2-2アーバンネット大手町ビル21F

市ヶ谷駅より徒歩3分

定員
70名(参加無料)
対象
◆経営企画部門や内部統制準備室の方で
  • 企業成長につながる内部統制を実現したい方
  • 財務報告の信頼性に加え業務の効率化も実現したい方
◆情報システム部門の方で
  • 内部統制要件を満たす企業情報ポータル
  • グループウェア、ワークフローの導入を検討している方
◆経理部門、総務部門の方で
  • 上場企業の内部統制の取り組みを知りたい方
  • 内部統制対応で業務負荷が高くなってしまった方
  • 業務の効率化を図りたい方
タイムテーブル
14:00
14:05

開会のご挨拶
株式会社クレオ取締役CFO
大矢 俊樹 氏

14:05
14:45

基調講演:『ポスト内部統制コミュニケーションで高める統制と企業価値』
牧野総合法律事務所弁護士法人 所長 弁護士
牧野 二郎 氏

内部統制という器を整えても、社員一人一人の魂が入らなくては機能しません。一方、膨大な業務を統制するには、業務のIT化が不可欠です。内部統制の本格始動後にも企業価値の向上につながり、形骸化させないための取り組みとITの活用を考察いたします。

14:45
15:25

講演:『上場企業CFOが語る内部統制の本番運用、課題と取組み』
株式会社クレオ取締役CFO
大矢 俊樹 氏

上場企業のCFOの視点から、内部統制に関する現場の悩みと改善の取組みを赤裸々に語ります。

15:25
15:35

休憩

15:35
16:05

講演:『内部統制を運用する為の業務負荷軽減事例』
株式会社クレオZeeM戦略統括部
成瀬 真伯 氏

財務・経理のバックオフィス部門の視点から、内部統制を効率よく運用する為の事例を紹介します。

16:05
16:30

講演:『攻めの内部統制形骸化を防ぐのための方法と仕組み』
株式会社ドリーム・アーツマーケティング部 部長
桑原 寛

業務の効率性・有効性を含めた内部統制を実行するためには、それを支える企業風土の確立が不可欠です。組織内の情報循環をスムーズにし、内部統制を攻めの武器に変えるための仕組みを紹介します。

16:30
16:45

デモンストレーション:『攻めの内部統制を実現するINSUITE®Enterprise、ひびき®Sm@rtDB』
株式会社ドリーム・アーツマーケティング部
栗木 楽

16:45
16:55

閉会のご挨拶
株式会社ドリーム・アーツマーケティング部 部長
桑原 寛

基調講演

ポスト内部統制セミナー
コミュニケーションで高める統制と企業価値

  • 牧野総合法律事務所弁護士法人
    所長 弁護士
牧野 二郎 氏

内部統制のエキスパート!牧野二郎弁護士の講演レポートをお送りします!

2008年3月21日に開催された「ポスト内部統制セミナー」。基調講演には、個人情報保護や情報セキュリティ分野に精通し、近年は企業の組織改善を視野に入れた内部統制対策を積極的に推進している、牧野総合法律事務所 牧野二郎 弁護士をお招きして「コミュニケーションで高める統制と企業価値」と題してお話を頂きました。

  • 内部統制は戦略、スケジュール、着地点を明確にすることが肝心
  • 「見える」ことで次のステップにつながる、それこそが内部統制
  • 文書化の目的は業務の「客観化」と「可視化」
  • 内部統制には「組織の二元化」が有効
  • 内部統制の着実な継続で徐々に企業は強くなる
事例講演

上場企業CFOが語る
内部統制の本番運用、課題と取り組み

  • 株式会社クレオ
    取締役CFO
大矢 俊樹

株式会社クレオ 取締役兼最高財務責任者 大矢俊樹より、内部統制対応への事例として、ジャスダック上場企業 クレオにおける実際の取り組みをご紹介しました。

内部統制の取り組みは、メリハリが重要

クレオでは、2007年1月に内部統制対応のプロジェクトを発足しました。しかし、プロジェクト発足当初は、なかなか取り組みのイメージを持つことができず、外部のコンサルタント会社に、プロジェクトのマネジメントまでを依頼していました。しかし、3ヶ月ほど経ち、いわゆる文書化の3点セットと呼ばれる「業務記述書」、「リスクコントロールマトリックス(RCM)」、「業務フロー図」が徐々に揃ってきた段階で、危機感を覚えたといいます。「文書化は大いに進んだが、適用範囲が広すぎて、このまま完成しても運用できる規模ではなかった」と大矢は振り返ります。

内部統制の取り組みは、一過性のものではなく、5年-10年とPDCA(Plan・Do・Check・Act)プロセスを継続し、運用を続けていく必要があります。財務報告に関わる全てを網羅しようとして文書化の範囲が広くなりすぎると、PDCAを実施する運用コストが膨れ上がり、続かない恐れがありました。「5年-10年続く仕組みとして、無理のない体制を作ることが重要です。そのため、メリハリをつけ、特に重要なところに注力する方針に改めました」。

判断基準を明確にし、決算処理の改善に成功

コストや手間をかけて全てを網羅したとしても、監査法人は全部をチェックすることはできず、重点的に監査するポイントは自ずと限られてきます。そのため、クレオでは、売上全体の6割を占めるソリューション事業に注力し、業務プロセスの可視化により徹底的に洗い出したリスクの評価・改善を実施しました。

リスクを排除する仕組みとして、本社がすべてをチェックするという手法は、決算期に過大な負荷がかかります。それよりも、ITを積極的に活用し、現場で信頼性の高いデータを作る仕組みを作り、できるだけマニュアル化し、監査法人が安心できるような基準で実施することが必要だと大矢は説明します。

「属人的な判断ではなく、判断基準を明確にすることで、ごまかしの起きない制度を作ることができれば、監査対応が非常に楽になります。J-SOXの対応で負荷が高まるのではなく、これを契機に、決算処理をよりスムーズに処理することができるようになりました」。

最後に、クレオの内部統制対応の成功要因として、継続性の確保を留意して推進したことで、現場が納得してプロジェクトに参画することができた点を挙げ、講演を終えました。

システムの導入効果を上げるには、使いこなすノウハウがカギ

続いて、株式会社クレオ ZeeM戦略統括本部 成瀬真伯より、基幹業務ソリューション「ZeeM」を活用した内部統制を効率的に行うポイントをご紹介しました。

ITを活用した業務効率化の要素として、業務プロセスが見える「運用整備」、ルーチンワークを省力化する「機能性」、初心者でもミスをしない「操作性」が重要です。「ZeeM」は、使いやすさと豊富な機能に加え、業務に応じて条件分岐による自動処理や、他業務システムとの連携による自動化などにより、チェック作業や、加工作業を極力減らし、ミスを防ぐことができます。

株式会社クレオ
ZeeM戦略統括本部
成瀬 真伯

「豊富な機能だけでは、なかなか効果が上がりません。もう一つ重要なポイントは、システムを使いこなす”スキル”です」と成瀬は説明します。徹底的に機能を使いこなすことで、大きな効果を上げることができ、業務効率化から業務の高度化のステージへ進むことができます。

「システムを使いこなすには”ノウハウ”が必要です。クレオは、1600社以上の導入ノウハウをもとに、運用アドバイスを提供することで、業務の効率化を支援しています。」と講演を終えました。

ドリーム・アーツ

攻めの内部統制
形骸化を防ぐための方法と仕組み

  • 株式会社ドリーム・アーツ
    マーケティング部 部長
桑原 寛

内部統制を成功させるには、形骸化を防ぎ、改善を継続していく仕組みが重要です。セミナーの後半では、内部統制のあるべき姿から、攻めの内部統制を進める方法とその仕組みについて、株式会社ドリーム・アーツ マーケティング部 部長 桑原 寛 より講演を行いました。

内部統制の強化は、企業の戦略的な優位性の確保が本来の目的

内部統制の取り組みの中で、J-SOX対応は当面の課題ですが、本来目指すべき目的は、経営力を高め、企業価値を高め、企業の戦略的な優位性を確保することです。その目的を達成するためには、内部統制の取り組みを経営戦略とも整合させ、かつ一時的ではなく、継続的させるための仕組みを整備することが重要です。

ある内部統制担当者へのアンケート調査によると、7割以上の方が、内部統制は業務を非効率にすると感じており、さらに約8割の方が、活動が形骸化する危険を感じています。また、IT戦略と経営戦略の整合性についても、実に半数以上が、IT戦略が「無い」、もしくは経営戦略のあいだに「整合性が無い」と回答しています。このアンケート結果から、多くの企業がJ-SOXの対応にのみ追われ、内部統制の本来の目的である企業価値の向上どころか、内部統制への取り組み自体に疑問を感じていることが読み取れます。

活動を形骸化させないために、改善を継続していく仕組み作りが重要

桑原は、多くの企業がこのような危機的な状況に陥っている要因として、戦略に沿ったIT統制が出来ていない企業では、経営と現場の間のコミュニケーションが断絶し、せっかく作り上げた内部統制の仕組みを、継続運用していくことが難しい点を指摘します。市場ニーズの多様化、競争のグローバル化などにより、以前に増して、経営環境の変化が速く、かつ大きくなっている現在の状況下において、従来のようなピラミッド型の複雑な組織構造では対応することが困難になってきています。「市場の変化にスピーディーかつ柔軟に対応するためには、よりシンプルに、経営と現場を2元化し、自律した現場と、現場の情報を活かしている経営が、それぞれで改善活動を繰り返し、相互にコミュニケーションを取ることができる環境が理想です」と桑原。そのためには、現状や課題を「見える化」するなど、改善を継続していく仕組み作りにITを上手く活用することが重要と説明します。

攻めの内部統制を実現するビジネス・コックピット

株式会社ドリーム・アーツ
マーケティング部
栗木 楽

続いて、株式会社ドリーム・アーツ マーケティング部 栗木 楽より、企業情報ポータル(EIP)型グループウェア INSUITE®Enterpriseと、協業支援型Webデータベース ひびき®Sm@rtDBのデモンストレーションを行いました。

現場と経営が、それぞれ自律する環境を実現するためには、必要な情報を見える化し、一元管理し、最適化するポータルが最も重要な役割を担います。全社員がポータルを通じて情報とコミュニケーションを共有することで、現場が日々の活動から感じているお客様のニーズや市場の動向などの情報をリアルタイムで吸い上げ経営に活かすことでき、環境変化に素早く対応した経営戦略を実施することができます。

栗木は、攻めの内部統制を実現する仕組みとして、飛行機のコックピットや車のインパネのように、必要な情報が必要なときに見えるコックピットの状態が重要であると説明し、社員一人一人にビジネス・コックピットを実現するドリーム・アーツのソリューションの特長を詳しく紹介し、講演を終えました。