IT活用による『現場からの協働改革』実践セミナー

IT活用による『現場からの協働改革』実践セミナー

2005年2月8日、ウェスティンホテル東京に於いて、『現場からの協働改革』セミナーが開催されました。当日は200名を越えるお客様にご来場いただき、大盛況のうちに終了となりました。 誠にありがとうございました。

当日は、基調講演に東京理科大学大学院(MOT)の教授・宮永博史教授をお迎えし、 「競争優位を獲得する最新IT戦略」についてお話いただきました。また、「ITによる現場改革」の視点でEIPを活用した最新事例を株式会社ぐるなび様に発表いただきました。

当日の講演内容につきまして、報告させていただきますので、ぜひご一読下さい。

セミナー概要
日時
2005年2月8日 火曜日 13:30~16:40(13:00受付開始)
会場

ウェスティンホテル東京

JR山手線・埼京線「恵比寿駅」東口より「恵比寿スカイウォーク」で約7分。

地下鉄日比谷線「恵比寿駅」下車。JR方面出口より「恵比寿スカイウォーク」で約7分。

定員
200名
主催
株式会社ドリーム・アーツ
タイムテーブル
13:30
14:20

基調講演
競争優位を獲得する最新IT経営戦略-IT戦略の前に考えること-

東京理科大学大学院(MOT) 教授
宮永 博史

学歴・経歴:東京大学工学部、MIT大学院卒業。NTT電気通信研究所、AT&Tベル研究所スーパーバイザー、ルーセントテクノロジー社マーケティングディレクターを歴任。
その後コンサルティング業界に転じSRI勤務を経て2000年デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)統括パートナーに就任。
2002年同社取締役。2004年同社顧問、東京理科大学大学院教授に就任。現在に至る。
著書に『iモードビジネスがわかる』(共著、技術評論社)、『図説日本経済 2003』(共著、毎日新聞社)など。

14:20
15:00

DAソリューション紹介
現場から「営業」と「プロジェクト」を協働革新する
~非連続時代を現場力で突破する新たなアプローチの姿~

株式会社ドリーム・アーツ 代表取締役社長
山本 孝昭

15:00
15:15

休憩

15:15
16:00

先進活用事例紹介
ぐるなびの考える次世代情報インフラ

株式会社ぐるなび 監査室
吉本 匡祐 様

16:00
16:40

製品デモンストレーション
株式会社ドリーム・アーツ 第一開発部マネージャ
石田 健亮

基調講演

競争優位を獲得する最新IT戦略 〜指標なき時代を切り開く、次の打ち手〜

  • 東京理科大学大学院( MOT )教授
宮永 博史 様

日本企業は、従来の改善型のマネジメントモデルから、イノベーションを源泉としたブレーククスルー型への移行が急務と、東京理科大学大学院( MOT )教授宮永博史様は述べます。講演では、豊富な事例を紹介しながら、イノベーションを阻むデスバレーの克服ポイントや、競争優位を実現する企業経営の条件を示しました。

改善型マーケットリーダーからブレークスルー型への転換を

企業のマネジメントスタイルは、大きく3つのタイプに分類できると、宮永教授は述べます。

1つ目が、均質の製品・サービスをライン型の生産設備を使ってコンスタントに提供することに注力する「コントロール型」、2つ目がトヨタ 生産 方式に代表される、品質や価格競争力を絶えず高めていく「改善型」、そして3つ目が、イノベーションまたは技術革新で新たな市場を創出する「ブレークスルー型」です。

企業は時間の経過や市場の成熟とともにこの3つの道を順にたどる、と宮永教授。日本企業の多くが現在、コストや品質、教育などの面でアジア諸国に対する競争力の低下を懸念し、打ち手の手詰まり感や先行指標の喪失に喘いでいるのも、「改善型マーケットリーダーの宿命」と分析します。したがって、これを乗り越えるには、「ブレークスルー型への転換が急務」と指摘します。

ブレークスルー型の過去の代表例として、音楽産業におけるレコードから、カセット、CD、 MD、携帯プレイヤー、オンライン配信などへの変遷や、通信業界における固定電話からインターネット、携帯電話へといったコミュニケーション手段の変化があります。「ブレークスルー型のマネジメントのポイントとして、『日本語ワープロ』の開発などに象徴されるコンセプト創造との連携や技術革新の継続的導入、異分野との出会いや他業界の知恵を借りて新しい市場に気づくこと、補完者の積極的活用などのバリューネット視点を持つことが必要です」と述べます。

イノベーションを阻むデスバレーの克服

ブレークスルーの鍵は技術革新です。しかし、基礎研究( Invention )から応用開発( Innovation )へ辿り着く道を峡谷に架かる橋にたとえると、 Innovation に到達する前に谷底に転落するケースも少なくありません。いわば死の谷(デスバレー: The Valley of Death )に落ちてしまう現象です。このデスバレーは至るところにあると宮永教授。

「たとえば、研究と開発の間の谷、開発と事業の間の谷、事業と市場の間の谷、 市場 と市場の間の谷。市場のなかにも未知のもの、顧客や競合の動向などを通じて様々な谷があります」。そして、企業が自社のデスバレー度をチェックするための7つの項目をあげます。

企画部門が顧客訪問もせずに、マクロデータだけで戦略を立案し、現場へ押し付けていないか(特に、 BtoB の場合)。
状況が変化しているのにもかかわらず、初期戦略に固執していないか。
ある程度の「遊び」の要素がないとブレークスルーは起こりにくいが、財務部門が数字だけにとらわれ、経営に定性的判断を持ち込めなくなっていないか。
情報システム部門がユーザー部門を理解することなく、システム構築を進めていないか。この場合、使われなくなる。
技術部門の視野が狭く、社外の技術を使わず、 NIH ( Not Invented Here )に固執していないか。
本来プロフィットセンターであるべきマーケティング部門がコストセンターになっていないか。
バリューチェーンやバリューネット(価値相関図)を認識しているか。顧客の顧客、あるいは顧客がどのように競合他社と戦っているかまで目配りできているか。

1.の顧客ニーズを把握せずに戦略を立てて、失敗したケースのひとつとして、80年代半ばに米国自動車市場へ参入したユーゴスラビアの自動車メーカーの例を紹介。「低価格市場セグメントを狙ったものの、米国の自動車購入者は、たとえ安価なモデルでも性能と安全性を重視することを看過。新車市場では価格が最も安くても、同等以上の性能と安全性を兼ね備えた中古車より価格が高かったことから結局撤退に追い込まれました」。

一方、戦略変更で成功した例として、ホンダの米国二輪車市場参入をあげます。ホンダは小型のスクータを求める消費者のニーズをつかみ、当初の戦略を変更。小型スクータでニッチ市場を確立してから、セグメンテーションを変え、より大型で馬力の強いモデルを市場へ導入して成功しました。

競争優位を実現する企業経営とは

さらに、ブレークスルーを実現した米国 3M 社のポストイット開発事例を通じて、同社が様々なデスバレーをどうやって克服したかを説明しました。

ポストイットが誕生した背景には、 3M 中央研究所で 69 年に失敗した、強力な接着剤の開発がありました。 74 年、コマーシャル・テープ事業部の研究員が、この失敗研究報告をもとに、はがれやすい特性を逆手にとって、早速「糊付きしおり」の開発に取り掛かったのがきっかけです。しかし、社内の部門に協力を仰ぐものの、困難との回答。これが最初のデスバレーでした。 それまでの糊付きテープと違って、全面ではなく、一部に糊を塗布する必要があり、しかも、製品はロール状ではなく、板状。厚みを均一にするため、糊のところだけ紙を薄くする必要があったのです。しかし、研究員は自ら製造機を作り、自宅の地下室で試作を重ねました。手ごたえをつかんだときは、地下室から装置が出せない規模になっており、壁を破って工場へ搬入したといいます。

しかし、次のデスバレーが待っていました。マーケティング部が市場調査を実施したものの、消費者は用途が判然とせず、通常のメモ用紙より高かったため、ニーズを感じず、需要がないと判断されたのです。ところが研究員は諦めずに、試作品を社内の秘書に配布。口で説明するよりまず、利便性を体験してもらったところ、口コミマーケティング効果で評判が社内に広まり、使用量が増加しました。

ところが、77年に4大都市でテスト販売を開始したものの期待はずれに終わり、プロジェクトは中止の危機へ。しかし、研究員らは、中止撤回を担当副社長に直訴します。さらに、マーケティング部が、 Fortune500 社の全米の優良企業の秘書にサンプルを送付したところ、評判を高めることに成功しました。それが米国市場、海外市場展開の始まりでした。

「3M社で一研究員が思いついたことをすぐに行動に移せたのも、勤務時間の15%まで自分の興味ある研究に使用できるという『 15 %ルール』が あったためです 。一方、日本メーカーには こうした明文化したルールがなくても、社員が独自に工夫をする風土があります。そうした ” 遊び ” を許さず何事も 財務的なルールで縛るとかえって逆効果になる危険性があります」と宮永教授は呼びかけます。

さらに、3M社では、失敗技術を埋もれさせないように、研究開発結果をすべてデータベースに記録するテクニカル・オーディット制度や、 40 種類の基礎技術(テクノロジー・プラットフォーム)を軸に、製品開発を行う仕組みを導入し、デスバレーに陥らないための全社的な取り組みがあることを指摘します。

宮永教授はブレークスルー型マネジメントのポイントにあげた異分野との出会いについては、多数の DNA を一度に分析できる DNA マイクロアレイを引き合いにし、電子工学、生物学、化学の融合で生まれ、 2005 年には 10 億~ 22 億ドルの市場規模に達するなど、様々なビジネスチャンスを作り出していることを説明しました。

さらに、バリューネット(価値相関図)の視点として、 Customer 、 Company 、 Competitor に加え、 Cooperator (補完的生産者)、 Supplier (供給者)にも焦点をあてる重要性を指摘。補完的生産者の例としては、自動車メーカーがかつて自動車普及のために、道路建設に関わり、ガソリンスタンドのネットワークを構築したことや、 タイヤメーカーの ミシュランでは自動車でたくさん走行してもらうために、観光地やレストランを 紹介するガイドブック事業をしている 事例などをあげました。

「競争優位を実現するには、まず、収益の源泉(プロフィットセンター)が、営業・マーケティングにあり、マネジメントは事業部門の強力なサポート役であるという認識を持つこと。そして、研究、開発、設計、製造部門は企業にとって競争力の源泉であり、技術視野を拡げ、顧客にとってのベネフィットを理解することが非常に大切です」と提言し、講演を閉じました。

DAソリューション“ひびき®”のご紹介

現場から「営業」と「プロジェクト」を協働革新する 〜非連続時代を現場力で突破する新たなアプローチの姿〜

  • 株式会社ドリーム・アーツ 代表取締役社長
山本 孝昭

ドラスティックな変化を遂げる不透明な時代においては、経営戦略、リーダーシップとともに、「現場力」こそが重要、とドリーム・アーツ(以下、 DA )の代表取締役山本孝昭は述べます。『実務現場』からの Co-Innovation =協働革新を目指し、大組織、大企業の実務現場をサポートすることにこだわって開発した INSUITE®Enterprise 、ならびに ひびき®SALES/ひびき®PROJECT の特徴などを交えつつ、営業支援、プロジェクト支援の本質について持論を展開しました。

大戦略時代の終焉を迎え『現場力』の差が明暗を別つ

長年争っていたライバル企業同士の業務提携、名門企業における合併劇やまさかの市場撤退、そして数年前まで、誰も名前を知らなかったようなベンチャー企業や新興勢力が一気に台頭――。ここ最近の経済界は、かつての常識が通じない寝耳に水の出来事に揺れています。「先々が読みきれない不透明な時代にあっては、模倣するべき先行者の指標がなく、モノを大量に生産していた時代に有効だった諸々の戦術も通用しません。このような突発的で、非連続的な事象に満ち溢れた新パラダイムの中で、かつての”大戦略時代”はもはや終わりを告げたといえるでしょう」と山本は述べます。

そして、これからの『戦略』は、かつてのように上げたら降ろすことが許されない錦の御旗ではなく、走りながら、そして実際の”現場の状況”を踏まえながら、少しずつ”育てる”ことが重要と続けます。

「戦略とはあくまでもその時々の”仮説”に過ぎません。むしろ、それを実際に行動に移し、成否を分ける『現場力』の差に注目してください」と山本。

別の見方をすれば、競争力の基盤を作る経営の3つの品質、すなわち「競争戦略の品質」、「リーダーシップの品質」、「オペレーションの品質」において、戦略(仮説)の巧拙、リーダーシップの舵取りももちろん肝要ですが、それらは実際に船や車を動かす様々な動力機関や伝達装置などの働きや精度、つまり「オペレーションの品質」があってこそ実現するもの。「現場力」の優劣が、競争力に与える影響は大きいといいます。

そして、こうした戦略やリーダーシップと密接に関わるオペレーションの支援において、 IT の果たす役割が大きくなっています。

「 PDCA サイクルでいうと、バブル崩壊後、経営(事業戦略)における【 ACTION 】(見直し、是正)や【 PLAN 】(目標、戦略設定などの計画)については各社ある程度メドがたちました。つまり、リストラによる構造改革や BPR 、 ERP 、 SCM などによる骨格と心肺機能のリセットによる体質改善は完了したといえます。次は、いよいよ”実務現場”における【 DO 】(実行、実施)と【 CHECK 】(点検、分析)の強化です」。

Co-Innovation=協働を実現するINSUITE®Enterpriseに注目集まる

こうした中、 DA では、”グループウェアとナレッジマネジメントを実装した国産 EIP ” INSUITE®Enterprise を提供してきました。数万人以上の巨大組織にも対応するエンタープライズ版の INSUITE®Enterprise は、車にたとえれば、戦略遂行の意思決定・判断に必要な情報をユーザーの役割に応じて提供するメーター類やカーナビであると同時に、既存のシステムを統合する情報基盤としての機能を併せ持ったポータル製品。 PC や携帯、 PDA など端末を選ばず、ブラウザがあれば使えるため、余計なソフトをインストールする必要もなく手軽に導入できます。

2002 年秋に発売して以来、業種業態に関わらず 60 社を超える企業に導入され、現在、 60,000 以上のクライアントライセンス数の実績があります。 Lotus Notes の代替というケースもありますが、急成長を遂げて会社規模が大きくなった企業が社内全体のオペレーションを見直すために導入するニーズが非常に増えてきました。

「 INSUITE® の提供価値は、 Co-Innovation (=「協働」)に集約されます。これは独自の造語で、経営と現場、現場同士のほか、顧客、パートナー、そして社会全体と心をひとつにしていくことを意味しています。「コラボレーション」という言葉は欧米企業風のドライでメカニカルな組織概念を連想させますが、私達はチームとして目的を共有する、という日本的な企業風土、組織文化にフィットした製品を開発したいという想いがありました。それを表現する適当な言葉として、 Co-Innovation というタームが誕生しました」。

INSUITE® は発売して 20 数ヶ月間が経過、その間、顧客からの 460 以上の改善要望を 60 %以上の実装率で採用し、きめ細かい配慮がなされるに至っています。「まさにお客様とともに育ててきたのが INSUITE® 」(山本)でした。

そして現在、 INSUITE® をプラットフォームにした、【リアルタイム営業活動支援ツール】 ひびき®SALES や、【現場型プロジェクト支援ツール】 ひびき®PROJECT など、営業支援やプロジェクト支援といった、特定業務の深い支援を行うことに的を絞った製品を提供しています。 INSUITE® は担当業務や役職に関わらず、組織内のすべての IT ユーザーのサポートや、ジェネラルなコミュニケーションを下支えするという位置づけです。

ひびき®シリーズについても、日産自動車や日立製作所オートモティブシステムグループ、大和鋼管など大手企業がすでに多数導入しています。

全社的な営業活動を支える仕組みを「ひびき®SALES」で構築

ひびき®SALES は、非連続で突発的なビジネス環境においても、臨機応変に組織の営業行為全体を支援する仕組みを実装しています。

「営業活動とは、案件に応じて開発部門やサポート部門、経営層など、営業以外の様々な部門・部署が絡んでくるのが普通です。営業担当よりも週三回、顧客を訪問するカスタマーサポート部門のほうが、苦情や来期の動向などのインフォーマルなささやきを耳にしていることも珍しくはありません。ところが、従来の SFA ツールでは営業マンだけを範疇としているため、こうした営業部門以外からのささやきはデータベースに入りにくいというウィークポイントがあります。これでは変化の中で先手を打って動くことが出来ません」。

それに対して、 ひびき®SALES では、営業現場だけでなく、実務現場と経営の範囲をすべて網羅。また、情報が滞らないようにメール偏重のコミュニケーションではなく、全社レベルでのディスカッションを可能にし、全社的な営業活動の中で、予見や見立て、仮説立案を行う業務支援、協業支援をサポートします。

もうひとつ、 ひびき®SALES の大きな特長は、単なるプロセス管理ツールではないこと。

「『現場は放っておけば、さぼるから管理が必要』というのは、性悪説に基づく考え方。海外製 SFA などでは管理者向けのビューは充実しているものがありますが、現場にとってメリットがなければ、データを入力してもらえない。結局使われなくなってしまいます」。

現場では、顧客に提案書を出して、仮見積もりを出して、上司の決裁を仰ぎ・・・など、出来合いのプロセスを正確にトレースすればいいとは限りません。「想定外の新規プレーヤーが突如出現することもある BtoB 市場では、プロセスを頑なに守るのは危険。内向きでなく、必要であればいきなりトップセールスをかけたほうがいい”時”や”場面”もあります。ひびき®セールスはこうした機転を利かせるための判断材料を様々な形で活用することできます」。

成否を握るオーソライズポイント以前から活用できる「ひびき®PROJECT」

一方、プロジェクトの結果(アウトプット)をきちんと出すことを目的に開発された製品が、【現場型プロジェクト支援ツール】 ひびき®PROJECT です。最近では、個々の案件の内容に応じて色々な経験値を持った人が集まり、アウトプットを出すプロジェクトベースのビジネスが、製造業・非製造業を問わず行われるようになっています。こうした場合、最初はプロジェクトが一人で始まることもあります。

「大事なのは、プロジェクトの成否が、プロジェクトコードが発番されて予算や人などのリソースが配分されるオーソライズポイント以前の『まずやってみよう』という段階の着想や勢いなどに大きく依存するという点です。現在のようにライバルの姿が見えない五里霧中の時代では、現場レベルの判断で、試作品などをどんどん短期間のうちに作っていかなければならない。それが商談の結果そのものに関わってくることもあります。その意味で、プロセスよりも『結果』をきちんと出せることにこだわって開発したのが、 ひびき®PROJECT です」。

ひびき®PROJECT では、オーソライズポイント前のインフォーマルな状態、たとえば一人でフィージビリティ・スタディを行うといった時点から使い始められる設計が特徴。2人になれば、ディスカッションボードで情報をやりとりし、最終的にプロジェクトが正式に認められ、数百人規模になった場合まで徹底的に支援します。このような過去の勝ちパターンを蓄積し、再利用できる仕掛けも装備されています。

「既存のプロジェクトマネジメントツールは、マネジメント層にとってのリスク対象を管理するためのもの。そのため、スケジュールに遅延がないかどうかをチェックするステータス管理に偏重していました。要は、プロジェクトの成否を占う重要なオーソライズ以前のところはリスク管理の対象外。これで果たしてプロジェクトの結果を向上させられるのでしょうか?」と問いかけます。

最後に山本は、「まず現場で活用されること。使えるな、と実感してもらうことが大切」と述べ、 INSUITE®をはじめ、 ひびき®SALES/ひびき®PROJECT を多くの企業で採用いただけるよう、その部分には非常にこだわってきたと話します。

「ゴルフでは素晴らしいスイング理論やコース戦略があっても、それを実践・実行する”肉体”がないと意味がありません。この “肉体”とは組織です。そして運動能力を支える筋肉が『現場』だといえます。 DA ソリューションは、この『現場』でお役に立てる毛細血管や末梢神経となりたいと考えています」。

先進活用事例紹介

ぐるなびの考える次世代情報インフラ 〜INSUITE®Enterpriseでサブシステムを統合 拠点間の情報共有化を促進〜

  • 株式会社ぐるなび 監査室
吉本 匡祐 様

全国の最新グルメ情報を網羅する「ぐるなび」の開発・運営に携わる株式会社ぐるなびでは、拠点間のコミュニケーションの円滑化とサブシステム統合に向け、2004年11月に、INSUITE®Enterpriseで社内ポータル基盤を構築。業務効率化だけでなく、将来の成長を見据えた情報インフラの整備を実現しました。今後は、営業現場の支援のため、「ひびき®SALES」の導入も検討しています。講演では、同社監査室吉本匡祐様より、システムの再構築に至った経緯や今後の拡張などについて解説が行われました。

ユーザーと加盟店に価値ある情報を提供する「ぐるなび」

「宴会などで使える、よいお店が近くにないだろうか・・・」
こんな時、頼りになるのがインターネットで即座に店舗を検索できる、日本最大級のグルメ情報メディア「ぐるなび」です。

2000年2月設立の株式会社ぐるなびは、東京本社のほか、北海道から沖縄まで全国に8つの営業拠点を構えてビジネスを展開。社員の平均年齢は30歳で、明るく活気に満ちた社風が特徴です。同社は、全国の飲食店検索「ぐるなび」を筆頭に、宿予約・旅情報検索「インターネット版旅の手帖(たびてネット)」、スキー場サイト「SURF&SNOW」、全国の駅時刻表・路線検索「えきから時刻表」の主に4つのサイトを運営。中でも、ぐるなびは月間3億8,000万PVという圧倒的なページビューを誇る人気サイトに成長しています。立ち上げから9年ほどで、掲載店舗数は4万3,000店舗。「ぐるなび会員」約312万人に達しています。

拠点間の情報共有促進に向けEIPによるシステム統合を検討

このように急伸を遂げる同社が、情報システムの見直しを進めた背景には、拠点間での「情報格差」が広がっていたことがありました。つまり、円滑な意思疎通や情報共有が不十分だったため、事後報告が常態化するなど、情報伝達にタイムラグが発生していたのです。「関西営業所勤務時代に、本社の方針転換を知らされていなかったため、業務に大きな支障をきたすこともしばしばありました」(吉本様)。社員の不満も爆発寸前、モチベーションが低下するなど事態は深刻化していたといいます。システム面においても、社内にサブシステムが林立し、社員が複数のIDやパスワードを管理しなければならず、大変手間になっていました。「パスワード管理が杜撰であれば、情報漏洩のリスクも高まります。セキュリティの確保も急がれていました」。

そこで、吉本様は、このような「情報格差を徹底的に排除すること」を大テーマに据え、システム環境の再検討に着手しました。

「目指していたのは、必要な情報をすぐに入手できるように、サブシステムへの入り口を一本化し、必要な情報および作業をONE WINDOWで行う、というものです。サブシステムも整理できれば、社内のリソースも節約でき、それだけ企業として成長しやすくなると考えました」。

当初はあくまでも吉本様だけの個人的なプロジェクトで、「ONE WINDOWプロジェクト」と名づけスタートさせました。2003年半ば頃のことです。吉本様はすぐ、具体的なパッケージ製品の選定に取り掛かりました。ゼロベースでの開発も考えられましたが、非常に大きなコストの増加と長い構築期間がかかるため見送られました。

そうした中、吉本様が情報収集しているとEIP(企業情報ポータル)という言葉が目に飛び込んできたといいます。さらに検索すると、多くの会社からグループウェア機能などを備えたポータル製品が発売されていることが分かりました。

けれども「グループウェアについてはすでに、社内の一部の部署にて、スケジュール管理などで使用していました。しかし、操作が複雑、使用するデータベースに汎用性がなく、将来性が不安で全社導入に至っていませんでした」と振り返ります。

そして、いくつか候補を絞る中で、吉本様の考えているコンセプトに近い商品が、ドリーム・アーツのINSUITE®Enterpriseだったのです。2004年6月に社内ポータル導入の正式検討がいよいよ開始されました。

柔軟性や社内ポータルとしての機能、ユーザービリティを考慮してINSUITE®Enterpriseに決定

「スケジュール管理や会議室予約、社内規定の告知、社内通達、社内書式集、会議議事録、従業員名簿、コールメモ、稟議・支払依頼、社内FAQ、プロジェクト管理、営業支援ツールなどは最低限必要な機能でした。INSUITE®Enterpriseはもちろん、これらの機能を備えていましたが、それで満足したというわけではありません」と吉本様。

INSUITE®導入の決め手は
  • 多彩なニーズに対応でき、会社の成長とともに進化させられる柔軟なシステムであること。
  • 単なるグループウェアではなく、 “社内ポータル”としての機能を備えていること。
  • 毎日使用するため、親しみやすいインターフェースやユーザービリティが用意されていること。
をあげます。

特に、(1)の「柔軟なシステム」である点については、上述した外部システムとの連携性に欠けていたグループウェア製品などに対する反省から、「経営トップからも、『他のシステムとつなぐことができなければ、企業の成長の足を引っ張る。つなげないシステムは採用しない』と厳命されていました」(吉本様)。これに対して、ドリーム・アーツの営業担当者が、「『INUSITE®を導入してみて、万が一どうしてもだめなときは、INSUITE®の部分だけを取り替えることができます。それまで使っていたOracleのデータベースは引き続き、他のシステムと連携して使えます』と、ユーザー利益を優先した提案を行ってくれたことが、安心感と信頼につながりました」と打ち明けます。

そして、(3)「親しみやすいインターフェース」にこだわったのは、同社の社員の半数近くが女性で占められ、年齢も若いことから、興味がないと新しいシステムを受け入れてくれない雰囲気があったといいます。「裏返せば、関心を持ってもらえれば新しいものでも積極的に使い込んでくれます。そのため、ユーザービリティを重視しました」。

愛犬家の吉本様は、INSUITE®の選択理由のひとつに「トップ画面にある犬のアイコンが可愛らしくて興味を持ったから」と冗談めかして述べますが、「実は、案外こうした点が重要。社員にとって無機質なアプリケーションでは毎日使用されませんし、社内にけっして根付きません」。それまで使っていた他のアプリケーションも含め、過度の機能や画面上の多数のボタンなどが不評だったかつての教訓も、脳裏をかすめました。

シングルサインオンでセキュリティ強化社外からのリモート・アクセスも検討

そして、2004年8月、取締役会でINSUITE®の発注が決定。予算化の承認が必要だったこともありますが、全社の情報インフラとして浸透させていく以上、トップのコミットを得ることが大切だったと吉本様。それから、3カ月間での導入期間を経て、2004年11月、INSUITE®の運用を開始しました。

「セキュリティについても、ワンタイムパスワードを併用した、シングルサインオン環境に対応してもらいました。おかげで煩雑なIDやパスワード管理がなくなり、情報漏洩の危険性などを抑えることができました」。

さらに、リアルタイム営業活動支援ツールである「ひびき®SALES」についても現在導入予定で検討を進めています。「飛び込みなど泥臭い営業活動が基本姿勢の当社にとって、『現場』を重視し、それを支援していくコンセプトが具体化された、ひびき®SALESには共感する部分が少なくありません。現場における進捗の把握や今後の展望を予測する上で、非常に有効なツールだと考えています」と吉本様は評価します。

一方、現場型プロジェクト支援ツール「ひびき®PROJECT」についても関心を持っており、社内で数多く立ち上げているプロジェクトの管理や効率化に使えるのではないか、と述べます。

さらに近々、INSUITE®の拡張性の高さや外部アクセスに対する柔軟性を活かし、インターネット経由でセキュアに社外からのアクセスできるようにして、業務効率アップを目指す方針。営業活動報告やスケジュール確認などの為だけにわざわざ帰社しなくてよいようにし、蓄積されたデータを戦略立案にも活かしたいと述べます。

「もちろん、EIPは魔法の道具ではなく、あくまでもツール。情報発信や活用の仕方は使う側の人間が考えるべきものです。今後は、業務の活性化に向け、いかに有効に使っていくかをさらに踏み込んで検討していきます」と吉本様は次なる課題に向けての意欲を見せます。

INSUITE®を情報基盤として活用しながら、時代とともに進化する”食のトータルサイト”を通して、顧客満足を追求するぐるなび。『食』=「ぐるなび」と直感的にイメージされる代名詞的存在を目指す同社のさらなる活躍が注目されます。

製品デモンストレーション

抜群の使いやすさと拡張性、運用負荷の軽減を追求し、優れたROIを実現

  • 株式会社ドリーム・アーツ 第一開発部マネージャ
石田 健亮

経営の屋台骨を支える情報技術が、ERPやSCMであるとすれば、グループウェアやナレッジマネジメント、EIP機能を統合したドリーム・アーツ(以下、DA)のINSUITE®ならびに、CRMやプロジェクト・マネジメント、SFA機能などを包含した「ひびき®」シリーズは、実務現場を支援する末梢神経や毛細血管にあたります。

製品デモンストレーションでは、DAの第一開発部マネージャ石田健亮が、「ひびき®SALES」と「ひびき®PROJECT」に込めた開発者の想い・メッセージ、そして具体的にどんな価値を提供できるかについて、実際の画面操作を交えながら説明を行いました。

現場の力を最大限に発揮できる設計思想

「INSUITE®とひびき®の開発にあたっては、柱となる3つの設計思想がありました」と石田。それぞれに説明を加えます。

現場性善説
『現場を野放しにしておけばロクなことが起こらない』という性悪説は、現場の人間を管理することを考える米国発のSFAに見られる発想。「INSUITE®やひびき®の設計コンセプトは、これとは全く対極の考え方に位置付けられます。日本企業の強みは、現場主導型の改善活動やボトムアップでのブレークスルーなど、現場に強みがあること。現場の力を信じ、その力をのびのびと発揮させることを念頭に置いて開発しました」と石田は述べます。
現場で支持され喜ばれてこそ
「単にデータを入力させるのが目的では決して使われません。日報を書くためだけに会社に戻って、入力させれば現場は必ず、『何のために入れているのだろう』とむなしさを覚え、面倒になり入力しなくなります。INSUITE®やひびき®では、入力した情報に対してフィードバックが得られること、使うことで仕事がよりはかどることを肌で感じ、メリットをつかめる点にこだわりました」。携帯電話やPDAを使って外出先でも操作できるので直行直帰のワークスタイルも実現可能です。

そして、

現場と経営をリアルタイムにつなぐ、
というコンセプトから、現場のリアルな情報を蓄積し、競争力の基盤となる、戦略やリーダーシップと現場の力を結びつける様々な切り口でのレビューが可能であることに触れました。

一方で、INSUITE®とひびき®の関係は、どのようになっているのでしょうか。石田は、「INSUITE®は、ユーザーインターフェースを提供するとともに、セキュリティやユーザーグループ管理、高速全文検索エンジンなどのインフラ部分を網羅。一方、『ひびき®』シリーズは、INSUITE®に対して付加される業務アドオン・パッケージ集です」と説明します。

INSUITE®自体で閉じるものではなく、さらにポートレットを介して外部システムとの接続、連携可能なオープンな設計が盛り込まれているといいます。

埋もれていた情報を可視化し営業活動に全社を挙げて取り組める

次に、リアルタイム営業活動支援ツール「ひびき®SALES」についての具体的な使い方や操作性などを実演。ログインするとメインポータル画面に辿り着き、関係者からの報告や連絡、来客があるかどうかなどを確認するスケジュール表などが表示。一日のアクションプランを戦略的に考えるための材料がワンストップで出揃います。

「営業報告などに使うレポート画面は、慣れ親しんだメーラーの画面や操作性を模しており、操作に関するトレーニングも不要。また重複したスケジュール表が出来てしまった場合にも、後からマージして一本化できるので、気にせずにどんどん入力できます」と石田。

ひびき®SALESは、営業マンだけでなく、開発、製造、保守、マネジメント層など営業に関わるすべての人が使用することを前提としています。既存のメーラーでも情報のやり取りは可能ですが、送受信トレイなどの中に肝心の情報がしばしば埋もれてしまうことがあります。

「INSUITE®および、ひびき®SALESでは、関連レポートをフィルタリングして抽出できるほか、埋もれていた情報を大勢の人の目に触れさせることによって可視化。ひらめきの触媒になるほか、担当者の業務引継ぎなども容易になります」と述べます。

「プロセス」より「成果」を重視アイデアをプロジェクトに育てる仕組みを実装

また、現場型プロジェクト支援ツール「ひびき®PROJECT」に込めたメッセージとして石田は、「現場力の強化と、結果(アウトプット)にこだわること、の2点を重視しました。プロセス管理に固執するのではなく、発案者によるアイデアレベル、小グループからのプロジェクトスタートを支援する機能を持たせています」といいます。

成果を出すという意味では、成功事例だけでなく、失敗事例も貴重な財産として活用できます。「タスクマネージャーから与えられた仕事をこなす、というだけに留まらず、思いついたらタスクデータを自分で投げ込めるTo Doリストなどを用意し、勝ちパターンなどの成果物はテンプレート化して登録することもできます」。

大きな案件であれば、タスクマネージャーもプロジェクトを分解して、サブプロジェクト単位に現場に権限を委譲したり、担当者へ個別にタスクを割り当てたりすることができます。

石田はまとめとして、「INSUITE®やひびき®シリーズでは、抜群の使いやすさの提供と運用負荷の軽減を追求。そして、いつでもどこからでもアクセスするための多言語・国際時差対応、拡張性に富んだ外部インターフェースを実装し、高いROIを実現します。ぜひ一度、製品に触れてみてださい」と、自信を込めて述べました。