DA Forum 2003 最新EIP活用事例セミナー

DA Forum 2003 最新EIP活用事例セミナー 国内IT先進企業4社が語る 最新EIPの構築から活用までのポイント!

日時
2003年10月30日(木)
会場
虎の門パストラル

2003年10月30日、虎の門パストラルに於いて企業情報ポータル(EIP)製品INSUITE®の活用事例セミナーが開催されました。当日は予定数を超えるお客様を会場にお迎えし、大盛況の内に終了となりました。

セッション内容
13:30
14:15

オープニングセッション
“ユビキタスEIP”既存IT資産の有効活用から始まる次世代EIP

株式会社ドリーム・アーツ 山本孝昭

14:15
14:45

日経DTセッション
EIP上での内外情報の融合が企業のナレッジ・創造性を高める

株式会社日経デスクトップ 半田裕之様

15:00
16:50

事例セミナーA

ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャームにおけるポータルによるコミュニケーション革新
ユニ・チャーム株式会社
谷 洋紀 様

サッポロビール株式会社

サッポロビールが考える次世代情報インフラ
サッポロビール株式会社
駒澤 正樹 様

事例セミナーB

株式会社テレビ朝日

EIPで加速する高度情報化環境
日本ヒューレットパッカード株式会社
本間 英俊 様

株式会社ファーストリテイリング

ファーストリテイリングの業務システム~事業インフラ再構築におけるポータル環境の実現~
株式会社ユニクロ
岡田 章二 様

16:50

コンサルティングカウンター

オープニングセッション

“ユビキタスEIP”既存IT資産の有効活用から始まる次世代EIP

  • 株式会社ドリーム・アーツ 代表取締役社長
山本孝昭

オープニングセッションとして、弊社代表取締役社長 山本孝昭より「”ユビキタスEIP”既存IT資産の有効活用から始まる次世代EIP」と題し講演を行いました。

山本は、経済のイニシアチブやマーケティングのトレンドの変化:マーケット主導→川下化に呼応して、企業の情報システムも急速に川下化している現状を説明。メインフレームからクライアント/サーバー、そして近年のインターネットからブロードバンド、ユビキタスという一連のITトレンドの中で、ドリーム・アーツのINSUITE®Enterpriseがいかなる製品思想を持った製品であるのかを解説しました。

INSUITE®Enterpriseは大企業・組織をターゲットとして昨年夏にリリースされましたが、その当初は経営幹部の方やIT投資の責任者の方に「INSUITE®Enterpriseとは一体何なのか、一言で言うと何であるのか?」を問われることが多かったといいます。「多忙なビジネスパーソンであるが故のこの質問に対し、いかに的確で本質的な答えをすればいいのかというのは、とても難しい課題だった」(山本)

INSUITE®Enterpriseとは何か

しかし販売から1年余りの間にたくさんのお客様と接し、製品の販売実績を上げていく中でINSUITE®Enterpriseは下記のような製品である、という一つの結論に達しました。

インスイートを一言で言うと…

“国産の大企業向けEIPで、強力なNotesの代替ソリューション!”

今回のセミナーでの事例がまさにそれを証明するものと言えます。今回発表いただく4社の事例は、INSUITE®導入時のキーポイントにより以下の2つに大別できます。

  • 最重要ポイントはEIP、必須条件としてエンタープライズレベルのグループウエア
  • 最重要ポイントはNotesの代替、必須条件としてエンタープライズレベルのEIP

テレビ朝日様とファーストリテイリング様は(1.)、サッポロビール様、ユニ・チャーム様は(2.)に該当します。まさに今回の4事例は、先の「大企業向けEIPで、強力なNotesの代替ソリューション!」であることを証明するものです。

「大企業や大組織の方が社内で使われるソフトウェアは多数あり、その中でも外国製品を使っていらっしゃる方は多いだろう。今までそれらの製品の不合理な仕様や、リクエストを指摘して、本国のユーザーと同様に製品に反映されたことがあっただろうか・・・。『国産』ソフトウェアを活用することの意義は急速に高まっている・・・」と山本は指摘します。

ドリーム・アーツの製品開発においては、お客様のニーズに対し標準機能として提供した方が良いと判断した機能は素早く製品へ反映していくなど、国産ソフトウェアならではの柔軟且つ迅速な対応を実施しています。発売から間もない製品であるが故の対応ではなく、それがドリーム・アーツの製品ポリシーであるからです。

INSUITE®Enterpriseの製品ポリシーとは何か

それではINSUITE®Enterpriseの製品ポリシーとは何か?について、山本は次の3つのポイントを挙げています。

INSUITE®Enterpriseの製品ポリシー

  • ユーザと一緒に製品を育てる
  • 製品のソースを完全に統一する
  • 機能ポイントは”疎結・簡潔・安全”

(1.)については「ソフトウェアは生き物であり、外部環境の変化やシステム的な環境変化に伴って常に手が入っていかなければならない。そうでなくてはソフトウェアとしての資産価値はない。投資対象とはなり得ない」「製品はお客様と一緒に共有資産として育てていく、つまり全ユーザとドリーム・アーツの共有IT資産である」

また(2.)については「お客様に固有の機能を追加する際は、ソフトウェア本体に手を加えるのではなく、コールバックポイントを経由して、ある任意の機能を動かせるような用意をしている」としています。これにより、お客様がアドオンを行う際には、どれほどの作業が発生するのかをあらかじめ把握することができます。

そして(3.)については「現在市場に出回るEIP製品の中には、アプリケーションレベルでの統合や、データレベルでの統合を目指すものも多いが、これにはコストも時間もかかる。ドリーム・アーツとしては、なるべく既存システムを生かしたかたちでポータルをスタートさせ、お客様がどうしても必要だと判断された時に初めて、アプリケーションレベルでの統合や、データレベルでの統合を目指すという方法を薦めている」

なぜなら「部分最適を目指すWebアプリケーションがあまりにも増えすぎたために、全体最適が曖昧となってしまった現状に対して、我々が提供するのがEIPというテンポラリーソリューションである」「将来的にはWebサービスや、XMLベースでのやりとりが主流となる。だからこそ今、ポータルは疎結合で実現すれば良いのではないか」としています。

また簡潔さについては、「ユーザの使い勝手には、特に注力している。会社設立時からデザイナーを採用し、デザインにこだわってきた。すべての色、形、動きが、その実装されるアプリケーションを助けるもの、付加価値をつけるものでなくてはならないと繰り返し言っている」「EIPはエンドユーザにとって使いやすいものでなくてはならない。例えば色弱者の方も問題なく使えるような配慮をしている」と述べました。

「セキュリティに関しても、我々が注目するのはエンドユーザに近いところでのセキュリティである」と述べ、EIPはある特定の部門のユーザだけのものではなく、すべてのエンドユーザのためのものであり、INSUITE®Enterpriseはこのことを念頭においた製品づくりを行っていることを強調しました。

INSUITE®Enterpriseがカバーする領域

最後に、ドリーム・アーツが考える2つの仮説についても紹介しました。「”知識”がキーとなる昨今では、人々のポテンシャルをボトムアップで引き出すことが重要」であるが「これを成果に結びつけるには同時にリーダーシップが必要であり、引き出してきたポテンシャルの中から創造とブレークスルーを発掘する」プロセスが存在するのではないか、そしてドリーム・アーツとしてはこの「ボトムアップを引き出していくことを、機能や使い勝手で実現しようとしている」

「企業を取り巻くコミュニケーションは、フォーマルとインフォーマル、トップダウンとボトムアップが存在するが、従来のITがカバーしてきた領域はフォーマル且つトップダウンの領域なのではないか」とし、「ドリーム・アーツとしては、旧来の領域から対象を拡大し、インフォーマルでボトムアップの領域についてもカバーしてゆくことを目指している」として講演を締めくくりました。

日経DTセッション

EIP上での内外情報の融合が企業のナレッジ・創造性を高める

  • 株式会社日経デスクトップ 取締役事業統括部長
半田 裕之 様

【日経DTセッション】として、株式会社デスクトップ取締役事業統括部長半田裕之様より「EIP上での内外情報の融合が企業のナレッジ・創造性を高める」と題し、日経DTのニュース&クリッピングのサービス内容と、EIP上での外部情報の効果的利用法についてご講演頂きました。

まず「IT時代に勝ち残るカギは情報の活用である」として、企業の業務電子化、ネットによる取引の国際化が加速し、官公庁・自治体においても電子商取引が採用される現状を、米・マイアミの行政が電子化されている例などを挙げながら解説。昨今のスピード経営の時代に、勝ち残るカギは社内・社外の「知」を融合させて生まれる情報をITで有効活用することであると指摘されました。

その上で、「我々としては、中立的な立場で集めた情報を戦力化し、経営判断に役立てていだだきたい」として新しくサービスを始められた経緯を説明されました。

日経デスクトップ様では、「ポータルではイントラネットに蓄積された情報だけでなく、日経などのデータベース、インターネット上の知識・情報をも一括で収集し、社員のそれぞれのニーズに対応した情報、知識をジャスト・イン・タイムで提供するもの」であると定義し、それを実現するツールとしてINSUITE®Enterpriseを採用されています。

またそのサービスの特徴は「日経独自の情報収集力を活かしたニュースを瞬時に配信できることであり、膨大な量の情報の中から、ユーザの欲しい情報を的確に素早く検索できるように仕組みを整えること」であると強調されました。

日本経済新聞社様が提供する情報サービスの中でも、「”NIKKEI NET”はパーソナルユースを、”日経デスクトップ”は組織内の経営層から一般社員まで、ビジネスユースを対象とし、比較的安価に利用できるサービスである。一方”テレコン21″は検索型のサービスであり、調査・企画部門を対象としている」こと「NEEDSは金融機関などを対象とし、より専門的な付加価値情報が高額で提供されるサービスである」としてサービスの違いについても解説されました。

講演の後半では、日経デスクトップ様のニュース&クリッピングについて、実際の画面イメージを用いてわかりやすく解説していただきました。

事例セミナーA-1

ユニチャーム・株式会社

  • ユニ・チャーム株式会社 企画本部 情報システム部 マネージャー
谷 洋紀 様

セミナー会場Aではまず、ユニ・チャーム株式会社企画本部情報システム部マネージャー谷洋紀様より「ユニ・チャームにおけるポータルによるコミュニケーション革新」と題しご講演頂きました。

谷様は、コミュニケーション革新の構想のなかでも、昨年より取り組みを開始したDHCP化(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol)、つまり「社内のどこでも自分のPCを使ってコンピューティングできる」環境の整備についてまず触れ、今期のポータル化の実現、将来のユビキタス実現へと、ユニ・チャーム様として目指す、情報システム革新のロードマップについて解説されました。

その上で、今回のポータル実現をシステム的な側面から詳細について説明されました。ユニ・チャーム様はLotus Notesを用いて様々な業務システムを構築されており、「それらをWebのインターフェースで使いたいという要望があった」といいます。

ユニ・チャームにおけるコミュニケーション革新

コミュニケーション革新をテーマにシステム構築を検討されたユニ・チャーム様は、情報システム部門として実際の検討に入る前に、ユーザ部門中心のプロジェクトを立ち上げ、社内システムの現状について現場の意見を調査、ここで挙げられた課題を基にプロジェクトを推進されました。

では、なぜ今回はポータル構築なのか。「Notesを使ったシステムや、経理システム、販売システム、物流システム、管理システムなど社内に多数存在するシステムには個別のID、PWが必要であり、社員が欲しい情報になかなかたどり着けないという状況であった」こと、「社員は電子メールを用いてファイルなどの情報を交換するという”メール文化”が存在し、同じ内容のデータがサーバ内で重複保存されている状況などもあった」ことから、掲示板などを利用した、”ポータル文化”へ移行したいという要望があったといいます。

また「一昨年には全社員のパソコン入れ替えを実施したが、そこでの設定作業はかなり大きな負担であった」こと、「多数の業務システムを、数千人の個人ごとに設定する必要があった」ことから、「社内のシステムを統合化してもっとユーザにとって使いやすい環境を作り、設定作業の負担を軽減したい」という現実的な課題について述べられました。

同時に「メールボックスが全国各地のサーバに分散化していて、サーバ障害時の対応の面からも集中化が望まれていたが、今回これを一極集中とすることで、管理コストをかなり削減できた」という点についても触れられました。

何故、INSUITE®Enterpriseを採用したのか

なおEIP製品の選定については、複数のベンダーに対しシステム提案を依頼。その評価は社内の情報システム部門のみではなく、ユーザ部門も参加しての加点方式で行われました。その結果キープロダクトとしてのINSUITE®Enterpriseを提案された東芝ソリューション様への評価が最高得点だったことから最終的な選定を行われました。

システム提案の中では、様々な要件が提示されましたが、中でもメール機能、多国言語対応、機能の拡張性について重視されました。東芝ソリューション様の提案内容は、これらの機能に十分対応する内容であり、また全国網のサポート体制がとられたこと、DLT(DLT:Digital Linear Tape)を採用した比較的安価なストレージ構成をとられたことで、高得点の評価を得られたといいます。

この後INSUITE®Enterpriseを使った実際のポータル画面イメージを紹介されました。「Webで売上情報を見られるという、長年熱望していた事がポータル導入により可能になった」という点について始められ、INSUITE®Enterpriseの通達機能や、ユーザの要望に応じて画面上の設定のみで誰でも簡単にポートレットを作成できる機能については、特に高い評価を頂くことができました。

最後に今後の課題として、アプリケーション及びデータの連携・統合、モバイル端末からのアクセス環境の整備、情報のポータルへの統合を実現し、スピーディなビジネス展開の推進を検討されていることを紹介、講演を結ばれました。

事例セミナーB-1

株式会社テレビ朝日

  • 日本ヒューレットパッカード株式会社 コンサルティング統括本部 ソリューション&メディア事業部 シニアコンサルタント
本間 英俊 様

セミナー会場Bでは、株式会社テレビ朝日様、株式会社ファーストリテイリング様からの講演を予定しておりましたが、第1部の株式会社テレビ朝日様の事例については、ご講演者様のご都合により、急遽日本ヒューレットパッカード株式会社の本間英俊様にご講演いただくこととなりました。

本間様はまず、株式会社テレビ朝日様が2000年に東証1部へ上場されたことによりこれまでの放送事業に加え、上場企業として株主への貢献というミッションが加わったことについて触れられました。この度の六本木ヒルズへの主要機能の移転、地上波デジタル放送の開始と、テレビ朝日様にとっては大きな変革期にあることを説明されました。

この変革の中、テレビ朝日様社内での情報システム部の位置付けも大きく変わろうとしています。「従来総務局の一部であり、コストセンターとして、主にコスト削減を意識した活動がメインであった」情報システム部門は、テレビ放送が24時間365日の保守対応が求められるというその特質から、或いはグループ・系列各局4000名の環境を配慮しなければならないという状況の中、「どちらかというとプロジェクトマネージメントを主体として活動していた」のですが、「上場企業となった現在、つまり利益を生み出すことを使命とされた企業にあって、情報システム部門としては何ができるのかを問われているのではないか」と考えられています。

そこで今後の情報システム部門は、プロフィットセンターとして、つまり情報サービスを企画し、社内に提供することを目的とする組織への変革を目指しておられます。社内の情報はすべて会社の「資産」であるとし、これを業務改善や、生産性を上げるためのシステムとして構築することを掲げており、いかなるかたちで社内にサービス提供していけるかについて考えておられます。

“高度情報化環境の構築”、そしてPrism

このサービスを実現する方向性としてテレビ朝日様の社内では、高度情報化環境の構築をテーマにしておられます。高度情報化環境とは、「社員の誰もが、自らの意思で、必要な情報を、必要なときに、必要な場所で、手に入れられ、一人一人が独立して日常業務を遂行できる環境」のことであり、この取り組みを総称してPrismと呼んでいます。

高度情報化環境の構築への活動は、1999年にスタートしました。まず情報システムの基盤を構築し、翌年からはその具現化のための活動を開始。さらに翌々年にはこの活動の推進をテーマとし、この2003年においては高度情報化環境が全面稼動するための環境を、「アウトソーシング」により整備しようという活動に取り組んでおられます。

1999年の活動開始期には、「既に高機能なシステムが整備されていたものの、これらを使う人、組織、方法が環境変化に追随していない」という状況がありました。利用者は様々な意見を出していたものの、反映されることがなかったといいます。

そのような状況からの脱却を目指した取り組みがPrismであり、この構想では2本の柱を掲げていました。一つは「自己完結した業務遂行」であり、もう一つは「旧来型からの脱却」ということで、情報システム部門としては全社をリードしていくという意識をもってこれに取り組まれました。

その一つの答えが全社情報資産データベースの構築でした。まず社内にはどんな情報があるのかを整理し、「資産」としての情報はいかに収集すればいいのか、収集した情報はどう生かすことができるのかについて検討されました。その結果、「情報とロジックとを分離して環境を構築してゆくこと、つまり情報資産データベースと、アプリケーション基盤という2つの大きな柱を持った環境を整備することが必要である」との結論に達したのです。

アウトソーシングベンダーとしての、日本ヒューレットパッカード

2000年にこのアプリケーション基盤が構築されたところで、社内の業務システムの規格を統一。その後はシステム構築のアウトソーシングについて検討されました。アウトソーシングといっても、「従来のような、単にハードウェアやソフトウェアの運用・保守を外部リソースに任せるといった内容だけではなく、そこで目指される内容を”サービス”として捉えこれを外部から享受するような仕組みを指しており、このサービスを提供するベンダーはサービスのメニューとレベルを保証するものでなくてはならない」として「アウトソーシング」が意味するところについて解説されました。ここに、日本ヒューレットパッカード様がサービスを提供するアウトソーシングベンダーとして位置付けられたのです。

日本ヒューレットパッカード様がアウトソーシングベンダーとして提供しているものは次の通りであり、

  • インターネット接続サービス
  • グループウェアサービス
  • 電子メール/インスタントメッセージサービス
  • 情報連携基盤サービス
  • ストレージサービス
  • アプリケーション稼動環境サービス
  • 共通インフラサービス

ここに紹介されているサービスのうち、INSUITE®Enterpriseで実現しているものは「グループウェアサービス」と「情報連携基盤サービス」ということになります。

テレビ朝日様の社内には既にポータルが存在していました。ところが「ポータルとグループウェアなどはシステムとしてはまったく別のものとして稼動している」状況があり、これを統合させる基盤として今回INSUITE®Enterpriseが採用されたのです。

INSUITE®Enterpriseで実現する、新しい情報連携基盤サービスには、WebDeskTopという位置づけがされておりここで実現する環境とは、「ユーザの業務の入り口である」としています。それは「個人の作業で必要な情報やツールを集約した環境」であるといい、「社員が朝、会社へ出勤するとまずPCを立ち上げ、このWebDeskTopを起動させると業務がすべてここから行える環境を作ろうとしている」また本間様は、現在企画中であるこのWebDeskTopの画面イメージについても紹介してくださいました

何故、INSUITE®Enterpriseを採用したのか

新しい情報連携基盤として、何故INSUITE®Enterpriseを採用したのか。本間様は次の3つの点を挙げられました。

  • 優れたユーザビリティ
  • エンタープライズレベルでのセキュリティ
  • 既存システムとの親和性

「この3つの中でも、既存システムとの親和性については、特にINSUITE®Enterpriseを評価している点である」と述べられました。「大きく手をいれなくても、ポータルを構築できるようになっているところは、親切に作られていると言えるのではないか」また「ある程度画一されたインターフェースがあらかじめ提供されているので、(ユーザとしては)非常になじみやすく、システムの教育コストを低減できるのではないか」「個人や組織の日常活動を定量的に分析するモニタリングの観点からも、データ分析の仕組みがつくりやすくなっている」「このようなシステムの場合、アカウント管理も非常に重要となるが、ここでも外部とのインターフェースがとりやすいことに魅力を感じた」など、さまざまな角度から見たINSUITE®Enterpriseの魅力について語ってくださいました。

なお、テレビ朝日様の今後のビジョンとしては、系列27局では既にサービスを開始され、子会社にもEIPを立ち上げた現在、本社のEIPサービスの稼動を準備中」であることを述べた上で、「現在はまだ、3つのサービスは別々に提供されているが、これをグループとして捉えたとき、基盤としてはどう提供していけばいいのか」について検討されていること、今後はマルチカンパニーとしての構想を練ることを目標として挙げられました。

最後にテレビ朝日様が目指すゴールとして、改めてPrismについて触れられ、講演が締め括られました。

事例セミナーB-2

ファーストリテイリングの業務システム ~事業インフラ再構築におけるポータル環境の実現~

  • 株式会社ファーストリテイリング 業務システム部 部長
岡田 章二 様

事例セミナー Bの第2部は株式会社ファーストリテイリング業務システム部部長岡田章二様より「ファーストリテイリングの業務システム~事業インフラ再構築におけるポータル環境の実現~」と題し、ご講演いただきました。

岡田様はまず、ユニクロのブランドメッセージを「ユニクロは、あらゆる人が良いカジュアルをきられるようにする新しい日本の企業です」と紹介され、ユニクロとしてどんなミッションやビジョンを掲げているのか、それを実現する方策とは何か、結果として目指すところはいかなるものであるかについて述べられました。

「ユニクロのビジネスモデルの根幹は、企画と生産と物流、販売を自社で一括コントロールすること、また社内に資産を極力保有せず、アウトソーシングにより高い資本効率を実現すること」であるとして、ユニクロの独自の取り組みについて紹介されました。

また過去 13期の業績推移を示したグラフを提示され、この間に起こったユニクロの東京進出や、フリースブームといった出来事について触れ、売上が急激に伸展した際にすべての事業インフラを大幅に拡大したこと、また「このブームの反動として2年連続で減収減益、売上としてピーク時の4分の3まで落ち込んだ。そこで今は収益性を確保するために、拡大した事業インフラをサイジングしているところ」であるとして現状を説明されました。ただし、「このままではユニクロは生き残れない。企業としては、成長し続けなくてはならない。またこれまでは国内での競争だったが、海外一流企業が参入してきている今、競争は国内だけでなくグローバル競争となっていく。そのためには、ユニクロの更なる成長戦略が必要だ」として、ユニクロの成長戦略へ至る経緯について説明されました。

ユニクロの成長戦略-「守り抜くべきもの」、「新たに創りあげるもの」

ユニクロの成長戦略の内容は目新しいものばかりではありません。「これまでの成功要因を再定義し、その上で成長していくための新しい取り組みを行っていきたい」として、「守り抜くべきもの」と「新たに創りあげるもの」とを明確にする作業から始められたといいます。経営理念や高効率経営、徹底したお客様・現場第一主義などは、今後も「守り抜くべきもの」として位置付けられました。それでは「新たに創りあげるもの」とは何か。ユニクロは「商品力の強化」「売り切る力の強化」「事業インフラの再構築」と大きく3つのテーマを掲げました。

たとえば「売り切る力の強化」について岡田様は述べられます。「商売力をつける上で、一番重要なのは人の育成だ。ユニクロ大学をつくり、その中で様々な講座を受講できるような場を設けたり、フランチャイズ制度も取り入れている。店長として終わるのではなく、一人の社長として店舗を運営していく、そんなことを目指せる環境なども制度として準備した」

また「事業インフラの再構築」においては、社内の業務とシステムのすべてをゼロから見直していくというG4プロジェクトについて紹介されました。

社内の業務とシステムの見直し-G4プロジェクト

「いま稼動しているシステムは、 6年前に作られたシステム。当時は売上が500~600億の企業で、商品をつくって売るのではなく、仕入れて販売する会社だった」システムも、これに合わせて構築されており、現在の経営内容や販売規模を想定した作りにはなっていなかったために、現行のシステムは「付け焼刃的に」繋ぎ合わせて使用しているといいます。「システムとしてもとても複雑になっていたし、業務の内容も大きく変化した今、すべてをゼロから考え直す必要があった」そこでプロジェクトに着手することとなったのです。

G4プロジェクトの目的は、当初「SPAとしての優位性」「究極の利便性」「ローコスト化の追求」をテーマに掲げていました。企画・製造から販売までの全体最適を目指していくこと、お客様にとって究極に高められたサービスであること、継続的な低価格化の実現と、それを支える仕組み作り。これらの大きなテーマを具現化する構想においては、それぞれの工程でより詳細な目標を設定し、最終的に「計画する数量、生産する数量、販売する数量を商品の最小単位で一致させていく」ことを課題としました。

SPA:Specialty store retailer of Private label Apparelの略。自社企画ブランド衣料の専門店の意。素材調達から物流、販売までを一貫して手がけ、顧客の要求に効率的かつ迅速に応える事業モデルを指す。

ファーストリテイリング様とドリーム・アーツの出会いは、現在店舗で活用されている umix(umix:Uniqlo Merchandise and Marketing Information Complex)という、店舗における情報共有システムを共同開発したことに遡ります。構想ポイントには、「ユニクロのサービス」を実現するために店舗が自立し自らが商売を実践する、「店舗の自立」というテーマがありました。それまで本部からのさまざまな通達情報はカラーコピーで印刷・配布されていましたが、このシステム導入により整理された情報が画面上で確認することができるようになり、本部から全店への情報伝達は効率化され大きな成果につながりました。

この umixもすべてのシステムを見直すというG4プロジェクトにおいてリニューアルが検討され、今回INSUITE®Enterpriseにより新しいEIPシステムとして構築されました。基本的には本部向けのポータルとして開発され、ここで必要とされたポイントは、次の3つでした。

  • 全部署が商売に参加する!→全員が同じ数字を共有すること
  • 本部=Support Center→店舗を知ること
  • 業務、情報への入り口→強固なセキュリティ機能と利便性(シングルサインオン)

「全員が同じ数字を共有することに価値がある。本部はデザイナーや情報システム部門、経理などの専門家が集まり、みなそれぞれが違う仕事をしている。しかしそのアウトプットは店舗に向けられていなければならない。店舗の営業の数字を見ること、例えば昨日の売上などの数字を、全員が共有すること」そして「本部が店舗のことを知る。店舗の情報はすべて umixに集約されており、本部の社員は毎朝出勤したらまずこの情報を見る。なぜなら本部はサポートセンターであり、主役は店舗であるからだ」とした上で、更に「情報の入り口とするには、セキュリティもシングルサインオンも必要となる」と述べられました。

何故、INSUITE®Enterpriseを採用したのか

では何故 INSUITE®Enterpriseを採用されたのか。これには4つの要因があったといいます。

  • ユニクロが目指すポータルとしての具現性の高さ
  • ポータルに必要な定性的な情報であるumixとの親和性が高い
  • トータルコストが低く、短期間での構築が可能
  • 将来的な海外への展開にも対応可能な製品

「ユニクロが目指すポータルとしての具現性の高さ」について、岡田様は述べられます。「表現力が十分にあること、ユーザがストレスなく利用でき、直感的に操作できること」また「 umixとの親和性の高さ」についてはumixがドリーム・アーツにより構築されていたことで、シームレスな連携がとりやすかったことを挙げられました。「トータルコスト」「短期間での構築」については、「ユニクロのビジネスはまだ完成したわけではなく、今後も変化していかなければならない。これに伴ったシステムの改変コストや、将来の運用コストの面からも、なるべく負担を回避したい。これに簡単に対応できること」と説明され、「将来的な海外展開にも対応可能な製品」の点については、「海外展開を目指すユニクロにとって、そのまま海外で使えるシステムであること、これに対応可能だった」という4つの点でINSUITE®Enterpriseの採用に至った経緯を述べられました。

最後に、「これら G4プロジェクトの本当の意味での成果が判るのは、来年3月以降だと考える」とし、「改革を通してユニクロを再度、成長軌道に乗せていきたい」考えを述べて講演を締め括られました。