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2007年8月29日、丸ビル カンファレンススクウェアにて開催された“官公庁「見える、気づく、守る」セミナー”。システム最適化計画に基づき、官公庁では、レガシーシステムの最適化、オープンシステムへの移行が重要な課題となっています。Webサービス、使いやすいインターフェースなど、現在のトレンドを採用しながら、情報管理、セキュリティをいかに解決していくべきか。その課題解決の“カギ”を「見える、気づく、守る」の観点から、各分野における国産ソリューションのリーディングカンパニーであるドリーム・アーツ、ビジネスサーチテクノロジ、スカイコムにより紹介されました。

業務効率化、情報管理強化のための共通情報基盤とは?

基調講演には、みずほ情報総研 コンサルティング部 マネージャーの吉川 日出行 氏をお招きし、組織内の情報共有・活用基盤の統合において重要な新しいコンセプト Enterprise2.0 を取り上げました。Web2.0の組織内版であるEnterprise2.0とは、「SLATES」(Search:検索、Link:リンク、Authoring:ユーザからの情報発信、Tag:分類・体系化、Extension:新たな気づき、Signal:通知)の6つの概念にまとめることができます。吉川氏は、「Web2.0を経験したユーザの行動様式は劇的に変化しており、組織の中も変わらなければならない」と説明します。なぜEnterprise2.0が必要なのかという問いに対して吉川氏は、まず情報洪水、情報爆発が起こっていることを指摘し、「これまで2000年かけて蓄積した情報と同じくらいのデジタル情報がわずかここ数年で生み出され、今後は増え続ける一方です。2010年には、1000エクサバイト*に達するという調査結果もあります。」と続けます。一昔前は、情報が無いことが課題でしたが、最近では情報が無いという声はあまり聞かなくなりました。まさに今、私たちの回りで情報がどんどん増えているのを実感できるほどです。しかし一方で、環境の変化に伴い組織の体制も変化し、ています。役割分担に応じて、細分化、専門家した結果、情報とコミュニケーションが分断され、どこに何があるのか分からないという新たな問題が発生しています。
*エクサバイト Exa Byte= (103)6 = 1,000,000,000,000,000,000 Byte

吉川氏は、インフォメーションワーカーが1週間に使う時間のうち、検索している時間(9.5時間)は、メールの送受信(14.5時間)、ドキュメントの作成(13.1時間)に次いで、第3位という米国の調査結果を例に挙げ、「私たちが日本で独自に行った調査でも、ほぼ近いデータがでています。インフォメーションワーカーが費やす時間のトップ3のうち、なんと1位と3位が、非創造的な業務なのです。」と説明。この時間を無くすことはできなくても、半分に減らすことができれば、劇的なパフォーマンスの改善を見込むことができると指摘します。吉川氏は、インフォメーションワーカーの検索シーンについて調査分析し、既知情報検索/再入手、巡回/捜索、探求検索、散策の4つのパターンに大別して説明します。「通常は、既知情報検索/再入手、巡回/捜索、探求検索がそれぞれ30%、散策が10%程度ですが、結果を入手しやすい既知情報検索/再入手の割合を増やすことができれば、業務効率を上げることができるはず」と続けます。

情報を探すというと、まず検索エンジンが思い浮かびます。しかし、吉川氏は、4つの検索シーンに適った方法はそれぞれ異なるといいます。検索エンジンは、最短距離で必要な情報にたどり着ける反面、その周辺情報を体系化して確認することができません。一方情報ポータルは、情報を綺麗に早く、分かりやすく配置することで、人が情報に気づき、見つけ易くすることができます。そのため、それぞれのシーンをカバーする、ポータルと検索エンジンを併用することが必要であると説明します。

最後に吉川氏は、大量な情報が整理され、活用される環境が整って、誰でも必要な情報を容易に入手できるようになると、これまで以上にアクセスコントロールや、セキュリティの確保が重要になることを指摘します。情報漏洩は、企業・組織の運営基盤を揺さぶる非常に大きなリスク。共通情報基盤の構築には、情報共有とセキュリティのバランスが重要です。相反する項目ながら、ITをうまく活用することで二律背反を解決できることを強調され、講演を終えました。


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